JLPT不正対策の裏でトラブル多発?…だからこそ会話力試験を!

現役日本語教師の方

先日、このような記事(「JLPT(2025年12月)受験者談|退場者続出?運営トラブル?問題傾向変化?」)を書きました。

その後、都内の某会場で受験されたという方からメッセージをいただきました。

簡単にまとめると、

この会場では、聴解試験の前に「ルールに違反した」として、三分の一から半分ぐらいの受験者を部屋の外に退場させた。だが、人数が多くなり過ぎたためか、「ルールの説明が不十分だった」として、結局全員を会場に戻し、試験が続けられた。そのため、試験は予定より大幅に押した(遅延した)…

のだそうです。

私は実際にその会場にいたわけではありませんが、かなり具体的な状況描写であり、おそらくそのようなことが実際にあったのでしょう。

先の記事にも書いた通り、私も他会場での受験者から似たような話(レッドカードを大量に出された会場の話など)を聞きました。

今回から特に「厳しく」なったのは事実のようです。

やはり不正や、不正が疑われる事例が多く、運営者も見過ごすことはできなかったのでしょう。

例えば、産経新聞にはこんな記事がありました。↓

日本語試験で同解答が集中し合否判定「不能」が相次ぐ 中国で時間差実施、情報漏れか

こちらは読売新聞。↓

日本語試験替え玉、ベトナム人6人の狙いは収入アップ目的で「在留資格の特定技能への切り替え」

実は私自身も学習者から、「今回のJLPTに出る問題」がSNSにあがっている、と、JLPTの数日前に聞きました

問題流出…一体だれが、何の目的で?と思いました。

(流出した問題が実際に出題されたかどうかの確認はできませんでした)

そういう諸々があるからこそ、引き締めの意味で厳しくしたのかなと想像します。

以前の記事でも書きましたが、私は、そろそろJLPTの形を改めるべきだと思っています。

Candoシラバスへ移行しようとしている今、旧来のJLPTが実際の日本語運用能力を適切に測れるものなのか疑問だからです。

もっと産出の方向…特に会話力(話す力)を測れるものに変えていくべきだと思っています。

英検でできるのに、JLPTでできないはずはないでしょう。(海外受験者の会話試験はどうするんだ、とか、いろいろクリアすべき問題はあるでしょうけれど)

もちろん語彙、文法、読解、そうしたものも必要です。特に大学等で勉強をしようと思っている人にとってはアカデミックジャパニーズは絶対に必要です。

が、これだけ日本に来る外国人の目的が多様になっている今、そしてその多くがJLPTを受ける今、そこに偏った現在のJLPTの形は、早急に変えていくべきだと思います。

日本留学試験をもっとしっかり機能させ、本当にしっかり学問を修めたいと思っている人には、そちらを頑張っていただけばいいと思います。…個人的には、「大学」に行きたい人にはどの大学であれ必須にすべきだと思います。)

不正と摘発の「いたちごっこ」で混乱があるなら、なおさら、JLPTに会話を取り入れるタイミングはじゃないでしょうか?

「会話」の力は、ごまかせません

即時応答、目の前でタイムラグなく話すことの評価ですから。

もちろん対面ではなくCBT(コンピューターを使用する試験)もありますが、それでも試験官が見ているその場で、すぐに発話し、それを録音するわけですから、不正は難しいと思います。

受験者と運営者側双方にとっての「ドタバタ」な今回の件は、JLPTの課題を浮き彫りにしたように思います。

不正をなくすための厳しさ。

実際の日本語運用能力を測るための改革。

この二つの両立を目指して、ぜひ会話力測定取り入れてほしいと思いますが、さて??

JLPTがこれからどの方向へ進むのか、注目です。

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