日本語能力試験【JLPT】にまつわる「どうして?」四つ~2023年第二回終了

現役日本語教師の方

2023年第二回のJLPTが終わりました

コロナ禍が明け、またたくさんの挑戦者が戻ってきたようです。

私が関わっている学習者たちも受験しました。

ところで、JLPTの度に毎回思うことがあります。それは・・・

公式問題集は各レベルで二冊ずつ出版されています。

2012年、2018年に。

公式サイトによれば今後も一定期間ごとに出す予定はあるようです。

…もったいぶらないで過去問題を全部公開してくれればいいのに…と、思います。

日本国内の大学入学共通テストは、翌日に新聞に全問題が公開されます。

なんて潔いのでしょう!

全問題と答えを発表してくれたら、学習者はきちんと振り返って勉強することもできるのに。

日本語教師も問題を分析して傾向を把握し、授業を改善していくことができるのに。

現状は、受験者が一生懸命試験問題を思い出して、思い出せたものだけを自分なりに答え合わせしていますが、問題も選択肢もうろ覚えのものが多く(そりゃそうです、あの問題数ですから)、結局モヤモヤがずっと残るわけです。

今回(2023年12月)は、聴解の問題が難化していたと思う、という感想をN2を受験した複数の学習者から聞きました。それが学習者の思い込みなのか、実際に何か傾向が変わったのか、、、問題が公開されなければ教師も確かめようがありません。

(SNSでは毎回のように、「何者か」が問題と解答を流しているようですが、、、それってどういうことっ!?と思います!!!)

JLPTの公式サイトに次のような記述があります。

日本語能力試験にほんごのうりょくしけんでは、①日本語にほんご文字もじ語彙ごい文法ぶんぽうについてどのぐらいっているか、ということだけでなく、②その知識ちしき利用りようしてコミュニケーションじょう課題かだい遂行すいこうできるか、ということも大切たいせつだとかんがえています。わたしたちが生活せいかつなかおこなっている様々さまざまな「課題かだい」のうち、言語げんご必要ひつようとするものを遂行すいこうするためには、言語げんご知識ちしきだけでなく、それを実際じっさい利用りようするちから必要ひつようだからです。そこで、この試験しけんでは、①をはかるための「言語知識げんごちしき」、②をはかるための「読解どっかい」、「聴解ちょうかい」という3つの要素ようそにより、総合的そうごうてき日本語にほんごのコミュニケーション能力のうりょくはかっています。

4つの特徴 | 日本語能力試験 JLPT

「コミュニケーション」能力って、果たして「読解」と「聴解」で測れるものなんでしょうか??

一般的に、コミュニケーションといえば音声、つまり「会話」を指すのではないでしょうか???

もちろん文字によるコミュニケーションもありますが、それなら「作文」は必須ではないでしょうか???

よく、「N2を持っているのに会話ができない」といった声を聞きます。漢字に強い国の学習者に多いですね。

また、「会話はとても上手なのにN3も持っていない」といった声も聴きます。南アジアの学習者に多いと思います。

コミュニケーションは受け取るだけではなく、自分から発信することが不可欠です。

発信に必要な「話す」「書く」能力を測ることが重要だと思います。

採点の基準づくり等難しい面はあるかもしれませんが、

たとえば英検では3級以上でライティングの試験、2次試験ではスピーキングの試験があります。

できないことはないと思います。

ぜひとも取り入れていただきたいです。

受験料が高くなる原因はいろいろあると思いますよ。

あると思いますが・・・

ちょっと高すぎでは?

7500円・・・なんだか気が付くとしれっと上がっていた・・・という印象。

日本に留学している学生の多く(特にアジアからの留学生)にとっては、かなり高額だなと思います。

私は日本語母語話者なので試験は受けられませんし、よって会場で実際に試験監督さんを見たことはありません。

が!

学習者から聞く話では、会場によってかなり監督さんの「やる気」に差がある様子中には相当ゆる~い監督さんもいるようです。。

頭がカクカクしていた監督さん。

ものすごくキョロキョロしている受験者をずっと放置していた監督さん。

の話を、今回は聞きました。

見ようと思えばかなり簡単に、近くの席の人の答えも見える状況とか?(この話は毎回聞きます)

もちろん監督の居眠りとか、カンニングしている受験者がいたとか、そういう話には学生の思い込みという面もあるかもしれませんが、

でも試験後に非公開のはずの試験問題がSNSにあがるというのは、どういうことなんでしょう?

全部覚えていて再現しているとか、何十人もの仲間で少しずつ分けて覚えてきてupしているとか、、、そういったちょっと信じがたいことが行われているのでなければ、だれかが写真を撮っているのか。・・・まさか問題作成者が流しているなんてことは、さすがにないと思いますので。

(もし写真が撮れる状況だとしたら、さらに悪用ができそうです。)

実際のからくりは分かりません。

が、もしかしたら監督さんが頑張ることで防げることなのかもしれません。

※事実として、以前日本語学校に勤めていた時、「え?」と思うような学習者が合格していたことがあります。
4択(一部3択)の問題で半分以上の得点が必要な試験です。
…よほど運が良かったか、カンが良かったか、、、はたまた目が良かったか!?

合否結果が分かるのはもう少し先。

試験が終わっても日本語の勉強は続きますが、合格はやっぱり勉強の励みになります。

合格の「春」がやってきますように!

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