あれ?時間が余っちゃったな・・・みんな眠そうだな・・・教室の空気がよどんでいるから気分転換したいな・・・そんな時におススメの活動ネタです。
メジャーなものが多いので皆さん既にされているかもしれませんが、注意点などもまとめていますので、どうぞご一読ください。
ディクテーション
学生の耳を鍛える活動です。
長音や拗音など、中上級者であっても細かい所までしっかり聞き取れない場合があります。学生の思い込みでそれまで「○○」だと思っていた言葉が、実は「〇っ〇」だった、ということが判明することもあります。耳で聞く音と字を一致させることは、言葉の理解を深め、自分でアウトプットするときにも役立ちます。
なお、わざと学生が知らないだろう言葉を入れ込んでおき、後でその言葉をみんなで確かめることもあります。
① 文を教師が読み上げ、それを学生が聞き、書きとる。
② 学生に板書させる。
③ 答え合わせ。もし間違いがある場合は、教師が正しい言葉と間違いを読み、学生自身が間違いに気付けるようにする。(例えば、「きって」と書くべきところを「きて」と書いてしまった場合、教師は「きって」と「きて」を続けて読み、学生に聞き比べさせる)
それだけです。
教師はそのクラスのレベルに合う語彙や文型を使った文を準備しないといけませんが、手順は簡単ですし、すぐにできます。また、その文が学生にとって身近で興味のある話題や、先生を取り上げたものだと、学生の食いつきはよくなります。なお初級の場合は、単語だけでもいいとおもいます。
ちょっとした時にすぐできるよう、レベルごとにいくつか長さの違う文(や単語)を用意しておくと便利です。
非常に単純な活動ですが、意外と学生は集中して取り組みますし、おもしろい答えが出てきたりすると皆で楽しみながら教え合ったり、知らない単語は推測しあったりして盛り上がります。
余談ですが、以前担当した上級クラスの学生が「あまりの寒さに嫌気がさした」という文を、「あまりのサムさんに嫌気がさした」と間違ってしまい、おもしろかったです。(「嫌気がさす」というのは難しい表現ですが、わざとひらがなでしっかり聞き取らせて、後で意味を教えました。)
また、ディクテーションの別バージョンとして、学生間でペアディクテーションをすることもあります。学生AさんとBさんがペアを組みます。Aさんに教師が文を見せ、それをAさんがBさんに伝え、書きとってもらいます。BさんからAさんへの質問は、アリです。一番最初に正しく完成したペアが優勝、というように順位をつけると盛り上がります。なおこのペアづくりは教師がする必要があります。学生のレベルが平均的になるように慎重に考えてペアをつくりましょう。
さらにディクトグロスを行うこともありますが、これはまた別の記事で後日紹介したいとおもいます。
お絵描き
学生が写真について説明し、聞き取った学生がその絵を紙に再現する活動です。絵を描くことが苦手な学生には、細部まで丁寧に描きこまなくてもいい、人は棒人間でもいい、といったことを伝えます。(←これ、結構大事です。たまに、絵を描くことに拒否反応を示す学生がいます)
① 説明役の学生を1人決め、教師がその人だけに写真を(スマホでもOK)見せる。それ以外の学生には白い紙を配る。
② 説明役が写真を見ながら、それがどんな写真かを言葉で伝える(ジェスチャーは禁止)。それ以外の学生はまずはメモを取りながら聞く。すぐに絵を描き始めない。
③ 絵を描く学生から分からないところを質問させ、説明役は答える。
④ 各学生の中にだいたいのイメージができたら、絵を描きはじめる。描きながらの質問もOK。
⑤ 全員が描き終わったら、答え合わせ。
以上です。適切な写真(構図が難しすぎない、特殊すぎる場所や状況でない、出てくる物が多すぎない)を選ぶ必要がありますが、特に手間はかかりません。そんな写真はネット上でも、自分で過去にスマホで撮った写真の中にもけっこう見つかると思います。
この活動は、学生同士「なんとか伝えよう」、「理解しよう」という姿勢で頑張って取り組んでくれます。また、最後に答え合わせをすると、いろいろな絵が出てきてけっこう盛り上がります。説明役が最後に順位を決めてもいいでしょう。
なお、これは初級だと難しいと思います。中級クラス以上なら楽しめるはずです。
「≪それ≫は何でしょう」クイズ
「それ」が何なのかを学生が当てるクイズです。1人の学生に教員が「それ」(一つの物)の名前を見せます。他の学生は「それ」が何かを知るために、「はい」か「いいえ」で答えられる質問をしていきます。昔、、、私が生まれるよりはるか昔、NHKラジオで『二十の扉』というクイズがあったそうですが、それと同じ形式です。今なら『ウミガメのスープ』の方が有名かもしれません。
① 1人学生に前に来てもらい、教師は「それ」を示す。
② 他の学生が、「はい」か「いいえ」で答えられる質問をする。前に出ている学生は質問に答える。(たとえば、質問「それは生きていますか」答え「いいえ」➡質問「それはこの教室の中にありますか」「はい」等)
③ 一番最初に「それ」が何かを当てた学生が勝ち。
「はい」「いいえ」で答える質問文を上手に作れるかどうかがポイントになります。抽象的な質問はNGで、具体的に質問しなければなりません。例えば「それは大きいものですか」というザックリした質問だと、「はい」「いいえ」と答えることはできません。「それはこの教科書より大きいものですか」のように基準を示して質問する必要があります。
たまに、答えがまだ絞り切れるはずがないのに、あてずっぽうで答えを言ってしまい、たまたまそれが合っている場合があります。そうなると非常にしらけます。ですから最初にルールをしっかり伝えなければなりません。「必ず、自信を持って答えられる段階まで、答えを言ってはいけない」というのがルールです。(時間がたっぷりあるなら、20の質問が終わるまでは自信があっても答えてはいけない、というルールにしてもいいと思います。)
また、このクイズは何度も繰り返していると、質問文がパターン化してきます。そうなるとつまらないです。このクイズをやるなら、一度の授業で2回か3回。そして一度やったら、その後しばらく時間をあけた方がいいです。
まとめ
いかがでしたか。
これらは、コチラの記事『やる気のない日本語学校留学生に、私がやってみたこと』に出てきたRさんのように、やる気ゼロの学生でも参加してくれたりします。
クラスで上記のような活動をする場合のポイントは、最初に全員にしっかりルールを伝えることです。1人でも理解できていない学生がいてルールを破ってしまうと、残念な活動になってしまいます。
また、上記の活動はすべて、ある程度の時間が必要です。授業が終わるまであとほんの数分しかないのに無理やりやってしまうと、途中で鐘がなったりして、やはり非常に残念な感じで終わってしまいます。
あくまでクラスで楽しく勉強するための活動ですから、逆の結果にならないようご注意ください!
当記事の第2弾として、もしよければこちらの記事『【日本語授業】簡単にできるゲーム・活動~意外と盛り上がる!第2弾 |)』もどうぞ!
さらに第3弾は、こちら『【日本語授業】盛り上がるゲーム・活動ネタ、第三弾!』から!
ゲームではなく、日本文化を気軽に体験して楽しむ時間を授業に取り入れたい、という方は、ぜひこちらの記事「【日本語学校】授業で気軽にできる!日本文化ミニ体験8選」もお読みください!
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