日本語教師に向いているのは、ズバリこんな人!7つの特徴

日本語教師をめざす方

どんな仕事にも、「向き不向き」はあるものです

ですから何か新しい仕事をしてみたいと思っても、自分の適性を考えて踏み出すことを迷う人も当然いるでしょう。

「日本語教師」の仕事を始めるためには(ボランティアやオンライン講師等を除いて)ある程度の時間やお金をかけて資格を取ることが必要ですから、なおさらです。

そこでこの記事では、日本語教師に向いていると思う人の特徴を(独断と偏見で)まとめてみました。

「日本語教師」という仕事に興味はあるけれど、自分は向いているのだろうか…?と迷い、一歩踏み出せずにいる方に参考にしていただければと思います。

日本語の授業は、学習者とコミュニケーションを取りながら進んでいきます。

学習者が気持ちよく話せるような雰囲気を作ることが大切です。

そのために、教師はまず「聞き上手」であること

さらに「話し上手」でもあれば完璧です。

相手に関心をもって話をよく聞き、理解し、そしてこちらからも相手に分かりやすく伝えていくことでコミュニケーションはスムーズに進んでいきます。

つまり、日頃から【聞き、話す】という「会話」を楽しめる人が日本語教師に向いていると思います。

※「話し上手」といっても、なにも立て板に水のようにペラペラ話さなければならないわけではありません。口数の多くない落ち着いた先生もいらっしゃいます。大事なのは、必要なことをきちんと相手に伝える力です。

語学の教師ですから、いろいろな言葉や表現の引き出しは多ければ多いほどいいです。

そのストックを作るのに最適なのは読書だと思います。

どんな本でもいいと思いますが、とにかく日本語で書かれた文章を読むことが好きで、普段からたくさん読む人は、向いていると思います。

・・・たまに「N1なんて日本人だって難しいし分からないよ」という人がいます。

(確かにごく一部、日本人でも「…ん?」と迷う問題もあるとは思います)

が!

ふだんから本を読む人にとっては、そんなことはあまりないと思います

初級から上級まで自信を持って教えるためにも、読書好きな人は向いていると思います。

日本語教師は、日々勉強です。

日本語そのものや日本語教授法等はもちろんのこと、学習者から質問されることの多い日本文化や現代事情、地理や歴史についても知識があった方がいいです。

また、最近は日本語学校でもデジタル化が進んでいます。そうした方面の知識も必要でしょう。

何事も勉強をして、自分の中のいろんな能力をアップデートしていける人は、向いていると思います。

なお「勉強」には、「学習者の気持ちが分かるようになる」という副産物もついてきます。勉強していると自分が不得意なこと・うまくできないことにぶつかることがあります。それを乗り越えていかなければなりません。その経験を通して、学習者がつまずいた時の気持ちが理解できるようになります。

これは言わずもがな、かもしれませんが。

海外の歴史や人々の生活、異文化などを知ろうとする姿勢がある人は向いていると思います。

そうしたことに興味がなく知ろうとしない人・尊重しようとしない人は、授業中に学習者を傷つけたり、怒らせたりすることがあります

・・・以前ある先生が、「台湾」の人と「中国」の人が机を並べる日本語学校の教室で、両国の歴史について安易に発言してしまい、両者をものすごく怒らせてしまったことがありました。大喧嘩になりました。そのときは他学生が止め、他の教師も教室に入ったことでなんとか事なきを得ましたが、その後しばらくこのクラスは大変でした。

授業は「生もの」だという人がいますが、確かに授業はライブなので何が起きるか分かりません。授業中に計画変更せざるを得ない場合もあります。

たとえば学習者から想定外の質問がいくつも飛んでくる。びっくりするようなリクエストをされる。ちょっとした雑談があれ?と思うような話へそれていく。・・・

自分がやりたいと思って準備してきたことと学習者が知りたいと思ったことが違ったとき、躊躇せずに、自分が準備してきたことをスパッと捨てる。また、学習者の要望に沿い過ぎてよくない流れになってしまいそうなときは、スパッと断ち切って方向転換。そんなふうにできる潔さのある人は向いていると思います。

授業時間は限られています。難しい質問にうまく答えられずにズルズルと時間を取られてしまったり(←潔く諦めて「教師の宿題」にしましょう!)、授業とまったく関係ない話をいつまでもダラダラ続けてしまったりするのは、最悪です。

逆に、まったくそうした「余裕」を持たせずに、ひたすら自分が準備してきたことだけを貫こうとするのも、最悪です。

臨機応変。潔い人が向いていると思います。

授業がうまくいかない日もあります

自分に原因があることも、学習者の方に原因があることも。

もちろん自分の授業を振り返って反省することは重要です。

が、ずっとその「うまくいかなかった」を引きずるタイプの人は、向いていません。

終わったことは終わったこととして気持ちを切り替えることのできる人は、次の授業にも新たな気持ちで向かうことができます。

たとえ授業中に学習者と気まずい雰囲気になっても引きずりません。次の授業のときは明るく教室に入っていくことができます。

「大丈夫、なんとかなるよ~」と思える楽観的な人は、向いていると思います。

日本語教師には、「学生にとって、より良いことをしてあげたい」「学生ファーストでありたい」という考えの、【善意の人】がとても多いと思います。

それは素晴らしいことです。寄り添うことで学生からの信頼を得ることもできます。

が、そこばかり考えるのも問題です。

日本語学校の学生は、子どもではありません。母国で高校や大学を出て一人日本に渡り、大金を払って日本語学校へ入学した大人たちです。

私たちが学生に寄り添い、信頼を得なければならないのは、あくまで彼らが「お客様」だからです。「お客様」の満足度を上げるための「学生ファースト」です。

教員が偉そうにふんぞりかえるのは論外ですが、同時に、優しいパパママ先生になる必要もありません。質のいいサービスを提供し、適正な対価を受け取るのが、日本語学校の教師と学生の関係です。

日本語学校は、「学校」と名前についていますが実はほとんどが「会社」なのですから。

会社は、自身が利益を得るために存在します。そこに納得できる人が向いています。

学校が学生に理屈の通らないひどい仕打ちをするなら、それは学生のために怒りの声をあげましょう。ですが、逆に学生が学校に対して理屈の通らないひどい要求をするなら、それはきっぱり拒否しましょう。

対価にきちんと見合うサービスの提供を心掛けたいものです。

こちらの記事『プロの日本語教師が無償ボランティア⁉…国家資格化にあたり思うこと』で、日本語教育がサービス業であることについての考えをまとめていますので、よろしければご覧ください!

以上、一日本語教師である私が考える「日本語教師に向いている人」をまとめてみました。

が!

やりたいと言う気持ちがある人は、上記に自分はあてはまらないなと思うことがあってもぜひ挑戦してみていただきたいです!

何事かを始めるとき、「やりたい!」という気持ち以上に大事なものなど、ないと思います!その気持ちは、その後のモチベーションキープにもつながります。

そして、これは私の持論ですが、どんな教師がいても、実は、いいんだと思います

学習者の方が教師を選んでくれますから。

自分がやりたいならやってみましょう!

何事もやってみないとわかりません。

やってみてダメなら・・・その時考えてみませんか?

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