ほんとにブラック⁉日本語教師の魅力=それでも私がやめない理由6つ

日本語教師をめざす方

日本語教育業界は、しばしば「ブラック(あまりこの言葉は好きではありませんが…便宜上、使います)」だと言われます。

残念ながら、一理あるでしょう…。(特に職場が日本語学校の場合)。

それでも、私は日本語教師をやめません。やめられません!

この仕事にしかない魅力がたくさんあるからです。

この記事では、私が日本語教師をやめられない理由を6つ、あげます。それは、日本語教師という仕事の魅力でもあります。

  1. 学習者と一緒に作品を作り上げていくような、ワクワク感
  2. 中上級者との刺激的な会話
  3. 学習者の喜ぶ顔
  4. 自分の成長
  5. 「さよなら」した後の「おかえりなさい」感
  6. 日本語を学んでくれている人への感謝

上記の中には、「ん?どういうこと?」と思われるものもあるかもしれませんが、すべて私が感じているこの仕事の大きな魅力です。

「日本語教師って興味あるけどブラックだって聞くしやめておこうかなあ」とか、

「日本語教師になったけど、もう疲れちゃったな…この仕事の魅力ってなんだったっけ?」とか、

そんな風に思っていらっしゃる方に、少しでも届いてくれたら嬉しいです。

これは特に初級クラスで感じることです。

初級クラスは、教師と、ひらがなやごく簡単な言葉しか知らない状態の学習者とが、同じ空間で向き合うところから始まります。

お互いが相手に何かを「伝える」ということが難しい状況から、なんとか「伝えよう」「理解しよう」として一生懸命コミュニケーションを取っていく

そうして理解しあえた時の喜びといったら!

学習者と教師で、何か一つの作品をゼロから作り上げていくような、そんなワクワク感を覚えます。

作品づくりには部品や素材が必要です。

日本語教育の場合、それは語彙や文型です。

学習者と教師が一緒になってさまざまな素材をそろえ、それらを使って大きな作品(伝えたいことを表現できる状態)を土台から共同制作していくようなイメージ。

作品ができたときの達成感も格別です。

日本語教師仲間には、この初級クラスを教えることが一番の醍醐味だと言う人がたくさんいます。

学習者が中上級になると、お互いの日本語がだんだんスムーズに通じるようになってきます。

さまざまな話が、深くできるようになります

私は中学生の時にはじめて海外に行って以降、ずっと日本とは違う文化や生活を知ることに興味があります。

本やテレビではなく、自分の目の前にいる人からそれらを直接教えてもらえることがとても刺激的です。

また、日本語学校には母国で高校や大学を卒業している、さまざまな年齢層の人がいます。

豊富な経験をもっている人も多いです。

そういう人たちからいろいろな経験談や考えを聞き、話し合うことができるのも、とても楽しいです。

新しい日本語を理解したとき、

日本語で自分の言いたいことがきちんと表現できたとき、

学習者は、それはそれは嬉しそうな顔を見せてくれます

私の授業の中でパッと顔を輝かせたり、深く頷いてニコッと笑ってくれたり。

そんなふうに学習者が喜ぶ瞬間が見られると、教師は嬉しいと同時に心の底からホッとします

大げさな言い方に聞こえるかもしれませんが、学生の喜ぶ顔コレクションは、もはや私の「趣味」のようになっています・・・(もちろん写真を撮るわけじゃないですよ~)

日本語教育に携わっている限り、教師は日々、学ばなければなりません。

日本語の文型を分析したり、より効果的な授業方法を考えたり、良い教材を探したり、ないときは自作したり、最近ではICT教育についても勉強しなければならないでしょう。

また、学習者や、他の日本語教師から教えられることも多々あります。

そうした中で鍛えられ、学習者とともに自分も成長していると感じることが多くあります

学習者とはいつかお別れする時がやってきます。

日本語学校の場合、進学や就職、帰国等で「さよなら」となります。

この「さよなら」をするとき、私はいつも「はじめまして」の時を思い出します。

その頃はひらがなしか読めず、簡単な挨拶ぐらいしか覚えていなかった学生が、

「二年間お世話になりました。先生のおかげで大学に合格できました。本当にありがとうございました。先生のことは忘れません。またいつか会いにきます」

なんて言ってくれた日には、涙が出そうになります

毎日学校で会ってたくさん話していた学生と会えなくなるのは、とても寂しいことです。

でも送り出さなければなりません。

その時、私は「さようなら」と言いつつ、むしろ「行ってらっしゃい」という気持ちになります

そして実際卒業生たちはたまに学校に近況報告に来て、たくましくなった姿を見せてくれます

そんな時には「おかえりなさい」という気持ちになり、本当にうれしいです。

・・・日本語教師をやっていて良かった・・・いろいろあるけど辞めないでいて良かった・・・、という気持ちになります。

学習者たちは、いろんな状況、いろんな目的をもって日本語を学んでいます。

私が日本語教師を始めた頃は、バブルは既にはじけていたものの日本にはまだまだ勢いがあり、経済も他国と比べれば好調で、海外の人から信頼されていたと思います。

日本で一旗揚げようという人たちがアジアからたくさんやってきていた時代でした。

今はだいぶ事情が変わりました。

日本の経済は停滞し、世界的な競争力も弱まりつつあります。

そして人口減に伴う働き手不足ということもあり技能実習生が注目されるようになりましたが、これについては本当に悪い噂もたくさん聞きます。(国はようやく制度を見直すようですが、遅い・・・)。

そんな中でも、日本に来るということを選んでくれた人たちへの感謝の気持ちがあります

日本のことを好きでいてほしいし、もっと好きになってほしいと言う気持ちもあります。

日本での生活には大変なこともたくさんあると思いますが、学校の中には「安心できる」「信頼できる」日本人が少なくとも数人はいる、と思ってほしいです。

そういう気持ちは、私がこの仕事を続けるモチベーションの一つになっています。

結論です。

日本語教師は、いい仕事だと思います!

私はそう思って続けています。

でも!!!

「ブラック」と言われてしまう理由は、確かに、あるんですよね・・・

「やりがい詐欺」「やりがい搾取」なんていう悲しい言葉も聞こえてきます。

そういう闇の部分については、また違う記事でまとめてみたいと思います。

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