日本語学習者が質問する・疑問に思うポイント⁉~ある【コント】より

現役日本語教師の方

今日SNSに流れてきた動画が面白かったです。

女性お笑い芸人の三人組「3時のヒロイン」のコントです。

電気店に、壊れた家電製品(だったと思います)を持ち込んだ客が、

これ、壊れちゃったから、ちょっと修理したいんですけど・・・

と伝える場面で、言われた相手がいろいろツッコむ、という設定でした。(記憶をたどっていますが、一言一句正確ではありません。すみません!)

皆さんならこのセリフ、どこをどう突っ込みますか

以下、コント内でつっこまれていた三つのポイントです。

※なお、つっこみのセリフも一言一句正確なものではありません。あしからず!

まず、最初のこんなつっこみ。

「修理したいんですけど」、ってまだ文の途中でしょ。修理したいんですけど、何なの? 最後まで言ってよ。

日本人なら、文の最後の「・・・」を省略して相手の理解に委ねる言い方、おなじみですよね。

「質問があるんですが」の「が」というのと同じ使い方で、決して逆接の意味ではありません。

が、「~けど=逆接のbut!」のように最初にインプットしてしまった日本語学習者にとっては、分かりにくいだろうなあと思います。

修理したいって、誰が? あなたが自分で直したいの? 「修理したい」って言ったらそういう意味でしょ?

ああ、確かに、正確には「修理してもらいたい」ですね。

でも日本人は「(私が私の持ち物であるこの製品が壊れたので)修理したい(から、この店に持ってきました。誰か修理できる人はいますか?)」という意味でよくそういう言い方もします。

これも日本語学習者の母語によっては違和感を感じるかもしれません。

「ちょっと」修理したいって、どういうことなの? ちょっとだけ修理したいの? 全部完璧に直すんじゃなくて?

これも面白いつっこみだと思いました。

日本語には文脈で意味の変わる言葉がたくさんあって、、、例えば「すみません」とか「結構です」とか「大丈夫」とか、、、それは日本人にとってはとても便利で使い勝手のいい言葉ですが、時に日本語学習者を惑わせるようです。

この「ちょっと」もそんな言葉の一つかもしれません。

基本的には「少し」という意味ですが、文脈によっては「かなり」「とても」になり得ます。また今回のように何かを気軽にやる時の「様子」や「意思表示」の言葉としても使われます。

このコントは、もちろん日本語教師でない人が見てもとても面白いのですが、

きっと世の中の日本語教師にとっては笑える面白さだけでなく、とても興味深いと感じるコントだろうと思います。

日本語学習者が素朴に疑問に思うようなポイントのつっこみになっているので。

それにしても、鋭い視点とお話を作り上げるアイデアと・・・お笑い芸人はさすが、言葉のプロですね!

話題の長寿番組である「プレバト」(毎日放送制作、TBS系)を見ていてもそう思います。これについてもいつか感想をまとめてみようと思います!

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