私がまだ若かった頃、
非常勤として勤めた日本語学校(東京都内)での話です。
本校にはしっかりした【研修制度】があり、誰もが学び向上する機会を提供しています。非常勤の皆さんは積極的に参加されていますよ。
と、教務主任の先生からお話があり、日本語教師として駆け出しだった私は、
張り切って参加しました。
ところが、その研修の内容は予想外のもので・・・。
※この記事の前に『【日本語教師】学校説明会・見学会でしておきたい8つの質問』を読まれることをおススメします!
こんな研修内容でした
①学校の理事長の自慢話、30分。
②学校の将来の展望(これからどんどん大きくする、中国と東南アジアにも学校を作る予定…)を、15分。 ※あれから二十数年。まだできていないようです。
③その日本語学校での独自ルールの説明、30分。
④上のルールをまとめたプリントをみんなで順番に音読、10分。
・・・終了。
・・・かかった時間は実はうろ覚えなんですが(笑)、だいたいそんな内容でした。
ちなみに、この学校の独自ルールというのは、以下のようなものでした。
・教室の掃除は、授業後にその日担当した教師が責任を持って行うこと。
・翌日の担当講師への引継ぎの電話は、学校ではなく自分の電話を使うこと。
・学校のコピー機は極力使わないこと。やむを得ず使う時は必ず教師の名前と何枚使ったかをノートに記録しておくこと。(たしか学生1人につき2枚まで?の制限があったと思います)
・授業後、掃除が終わったら学校に残らず、速やかに(=テスト採点等の仕事を家に持って)帰ること。
忘れましたが、他にもたくさん細かいルールがありました。
中でも上記のルールはかなりインパクトのあるルールだったので記憶に残っています。
当時は今のようにSNSもなく、基本的に電話で引継ぎを行っていました。
その電話代を学校が払わないって、どれだけセコいのでしょう!(というか、もはや違法では…)
コピーに関しては、先生によっては一生懸命自宅で作ってきたプリントを、学校の近くのコンビニでせっせと自腹でコピーして使っていました。
いかが思われますか?
これが、日本語教師にとって「学び、向上できる研修」…なんでしょうか???
しかもしかも、その研修、無給でした。
あんまりだと思いませんか!?
上記のような例はたぶんまれです。
でも、事実です。
(今どうなっているかは分かりません。さすがに改善されていることを願います…)
「研修」とは本来・・・
一般的に日本語教師の研修と言えば、日本語教育に関係する内容の、授業に生かせる勉強会のようなものだと思います。
私が専任をしていた日本語学校でもそうした研修は行っていました。
取り上げたテーマとして今パッと思い出すのは、
・作文の効果的な指導方法について
・漢字圏と非漢字圏の留学生混合クラスでの指導の工夫
等です。
専任講師も非常勤講師も関係なく、みんなで意見を出し合いました。
より良い授業を作り上げるために、いろいろな議論をしました。
新しい学校だったということも関係するのかもしれませんが、学校全体を良くし、学生全体を引き上げるための方法を全員で考えるんだという気概のようなものが満ちていました。
ファシリテーターであった当時の教務主任T氏の進め方もすばらしく、非常に有意義な研修でした。
(非常勤の方も有給です)
また、私が某自治体で、教育委員会から小中学校の「外国とつながる子ども」のところへ派遣される講師をしていた頃にも、充実した研修の時間がありました。
「子どもの日本語教育」に長年携わっている専門家の方に来ていただいて、ワークショップを実施していただいたのです。
とてもいい勉強になりました。(もちろん、有給でした)
その後、派遣講師の有志で集まって勉強会を継続したのもいい経験になりました。
さらに、新人教師向けの研修ということであれば、また違う形で行われると思います。
主任などのベテラン教員が教案をチェックしたり、授業を見てフィードバックしてくれたり、他教員の授業を見学させてくれたりするものでしょう。
・・・本来、「研修」って、そういうものですよね???
ということで、「研修」の中身にご用心!
「研修があります」と聞いたら、いい学校だなあと感じると思います。
実際、しっかりした研修を行う学校の方が多いのではないかとは思います。
が、中には上記のような学校もあるということで、
その内容にご用心!というお話でした。
(別記事(『学校説明会・見学会でしておきたい8つの質問』)に書いたように、事前に説明会などで「研修がありますよ」と言われた場合は、さりげなく内容がどんなものか質問されることをおススメします!)
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