「登録日本語教員」、記念すべき第一回目の国家試験が令和6年11月17日に行われ、
その結果が12月20日に発表されました。
➡結果はこちら(文科省の報道発表)から見られます
私は今年は受けていませんが、知り合いの先生は数名、受験しています。
皆さん基礎試験は免除で応用試験だけでしたが、一様に「難しかった~」とおっしゃっていました。
(が、合格されていました!)
文科省は教師の質を上げたいの?量を増やしたいの?
こちらの記事『登録日本語教員を増やしたいなら、処遇upしてください…』に書いたことと重なるのですが・・・
結局文科省は、日本語教師の質を上げたいの?それとも量を増やしたいの?
それがよく分からない試験結果だったと思います。
予想通りといえば予想通りなのですが。
全試験(基礎試験・応用試験)受験者の合格率は9.3%・・・非常に低い合格率です。
これだけ見ると、「ああ、本気で質を上げようとしているのかな」と思います。
が、基礎試験免除で応用試験のみの受験者の合格率は61%・・・はねあがります。
あれ、差がありすぎる…これを見ると「やっぱり量を増やしたいのかな?」とも思います。
とはいえ、今年の応用試験受験者ということは、今現在一年以上日本語学校の教壇に立っている現職の先生が多いと思います。
そのうち39%が落ちる試験なんですね・・・。量を確保したいにしては、この数字はどうなんでしょう?
もちろんまだ「経過措置期間」は4年以上残っているので、
文科省としては
不合格者も、経過措置期間中にまた受験するだろう。・・・是非頑張って勉強して、再受験してね。現職の人はそのまま日本語教師続けながら。
と思っていそうです。つまり、そういう読みも含めての「経過措置期間」だったんだろうな、と思うのです。
日本語教師不足が言われている今、教師の数は減らしたくない!でもある程度の質は保ちたい!だからとりあえず一年目スタートはこれぐらいの合格率にしておこうか・・・半分以上合格する試験にしておけば、きっと来年以降も再受験組含めてたくさん受けるだろう・・・みたいな思惑でしょうか??
ですが、そううまくいくのかな?という懸念もあります。
その理由は・・・⇩⇩⇩
受験料、高すぎるでしょ!
受験料、ちょっと高すぎやしませんか?
基礎試験+応用試験=18,900円
(基礎試験免除)応用試験のみ=17,300円
基礎試験応用試験、共に免除=5,900円
物価高騰中とはいえ、かなり高額だなと感じます。
これ、日本語学校が負担してくれるならいいのですが(出してくれる学校が実際にありますね)、
個人で負担となるとかなり痛い出費だと思います。
文科省だって、薄給にあえぐ日本語教師が多数いること、よく知っているでしょうに!
※上記の記事にもあげましたが、下の図は文化庁の有識者会議で配布されたという資料にある、日本語教師の処遇の現状です。(令和2年度のものなので、今はもう少し上がっているかもしれませんが)
それに、一年目は国家試験の受験料を補助してくれた日本語学校だって、二年目も同じ先生に同額出してくれるかは未知数です。
諦める人も出てくるんじゃないかと個人的には思います。
文科省としては、新しくチャレンジしてくれる人が出てくれば現役教師が減ってしまってもいいという考えもあるのでしょうか???
どういう計算でその金額?
また、受験料のそれぞれの額についても疑問です。
基礎・応用の二つの試験を受けて18,900円なのに、そのうち基礎を受けず応用だけを受ける人は17,300円って。
差額、少なすぎませんか?
手数料が大きいと言われてしまえばそれまでですが・・・それにしても。
もう少し差があってしかるべきではないでしょうか、と個人的には感じます。
また、一番の疑問は、基礎試験も応用試験も受けない、つまり何の試験も受けないのに
5,900円払わないといけない人がいることです。(実はE-2ルートの私です…)
受験しない試験になんといったん「出願」しなければいけないのです。
謎です。
なんのための5,900円なんだろう、と思ってしまいます。
一応、「試験免除」の確認のための料金、なんだそうですが・・・
それにしても高い手数料だなあと感じます。
来年度以降に注目。
XなどのSNSを見ていても、いろんな意見が見られるこの日本語教員試験。
まだスタートしたばかりですから、今年は(私を含め)様子見をした人もたくさんいると思います。
そういう人たちが来年度以降、続々と参戦するかもしれません。
もちろん国家資格に「格上げ」されたことで新しくこの「仕事」に興味を持ってチャレンジしてくる層もいるでしょう。
でも、今年の状況や業界の将来性を考えて受験を辞める人たちもいる気がします。
さて、来年以降は受験者がどれぐらいになるでしょうか?合格率はどう変わるのでしょうか?
・・・期待(と不安)をもって見守りたいと思います。
これから日本語教師を目指して勉強したい、という方は、こちらの記事『日本語教師・国家資格への道:本気でおススメ!TCJの合格パック&養成講座』をどうぞ!
まだこの「国家資格」の制度についてよく知らない、という方は、こちらの記事『【登録日本語教員】国家資格化:今、現職でなくても現職者になれる!』をどうぞ!特に「現職者」というのはどういうことかを中心にまとめています。
プロの日本語教師になることと、無償ボランティアで日本語を教えることとの違いは、こちらの記事『プロの日本語教師が無償ボランティア⁉…国家資格化にあたり思うこと』にまとめました。
Yahoo!ニュースの、日本語教育業界の現状と未来に対するちょっと暗い記事をご紹介したのは、こちらの記事『「登録日本語教員」日本語教育業界はどうなるの?yahooニュースより』です。
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