以前、二回にわたって日本語授業で使える活動ネタ、ゲームを紹介しましたが、まだまだあります!
今回は第三弾です。
では、さっそく。
あなたが辞書です
クラスから一人出題者を決め、その人に辞書になりきってもらうという活動です。
出題者がある語彙の意味(定義)を説明し、その語彙が何かを他の学習者が当てていきます。
日本語レベルが初級から中級程度の場合、まだ出題者も回答者も語彙数が少ないので、単純な語彙(単語)を選び、自分の言葉で頑張って説明してもらいます。
が、上級・超級レベルでは、自分の言葉ではなく、辞書に記載されたことをきっちり読み上げてもらいます。意外かもしれませんが、こちらのほうが難易度はグッと上がります。
この活動の成否は、語彙選びにかかっています。
教師はそこに注力してください!
【初級~中級】
①出題者に前に出てもらう
②その人に、教師がある語彙を示し、その語彙の意味をクラスに向かって自分の言葉で説明してもらう
※出題する語彙は、クラスの日本語レベルに合わせて選びます。出題者も解答者もしっかり知っている語彙でなければなりません。
③ ほかの学習者が当てられれば終了
【上級~】
①同上
②その人に、教師がある語彙を示し、その語彙の辞書の定義を読み上げてもらう。
※意味がいくつか提示されている語彙は、最後に出てくる意味から順に読み上げてもらうようにします。
例えば三つの意味が書かれている場合、三つ目(つまり最初の読み上げ)では誰も分からなくても、二つ目ぐらいで分かる人も出てきて、一つ目(=最後の読み上げ)で全員分かる、というような語彙がベストです。
③同上
・出題者のジェスチャーは厳禁!あくまで日本語で説明してもらう。
・【初級~中級】
正解が出ない場合、出題者が違う言葉で説明しなおす。
思いつかないようなら教師がヒントを出す。
解答者があてずっぽうにいろいろな語彙を並べて、それに出題者が「違う」と答えていくだけの流れは、NG!
・【上級~】
あまり難しい辞書を使うと大変です。おススメは小中学生向けの辞書。
私は、上級の学習者のクラスで娘のお古(小学生時代に使用していた国語辞典)を使いました。
私は何?だれとペア??
これは人数の多いクラスで行うものです。
①講師がカードに、同じ語彙を二枚ずつ書く。もし学生数が奇数なら、一つの語彙だけは三枚書く。
②カードを一枚ずつ学生の背中にセロハンテープ等で貼り付ける。
➡自分のカードは見えないので、自分が何かは分からない。だが他の人のカードは分かる状態。
③講師のスタート合図で学生は動き回り、いろいろな人に自分のカードが何かを探る質問をしていく。
※自分からの質問は「YES」か「NO」で答えられる質問に限る。
ただし相手は、カードについて若干のヒントを与えることはできる。
たとえば、相手のカードが「扇風機」であれば、「ある季節によく使うものですよ」など。
④お互いの質問で、正しいペアを見つけられた人から、勝ち抜け。
私は以前、専門学校で30人ぐらいのクラスで行ったことがあります。童心に帰って楽しむことができたようで、とても楽しそうでした。
・全員が話しながら歩き回るので、教室環境に余裕がないとできない。
(隣のクラスからクレームが来ないようにお気を付けください!)
・人数にもよるが、ある程度時間がかかる。
プレゼンテーション
講師が出すお題でプレゼンをしてもらう活動です。中級以上向けです。
非常に単純な活動で、教師はお題(条件)を出すだけです。
学習者には、『どんなアピールでもいいので、聞いている人の心を動かすものが「良いプレゼン」だ』、と伝えます。
おもしろい人、誠実な人、情熱的な人…学習者の性格によっていろいろなプレゼンが出てきます。
本格的なものではないので、作戦タイム(考える時間)はそれほど長くなくてOKです。(原稿はメモ書き程度)
【お題の例】
『あなたが今使っているシャープペンシルを、私(教師)が5万円で買いたくなるプレゼンをしてください』 (営業職志望者の採用面接のようです)
『明日パーティーがあります。私は用事はありませんが出席を迷っています。でもあなたは絶対に私をパーティーに連れていきたいと思っています。私が行きたくなるように誘うプレゼンをしてください』
アイデアを出してそれを言葉にし、相手に伝えることが目的なので、プレゼンで話す中身が多少不自然なことでもかまいません。
活動の目的を見失わずに!
いかがでしたか。
紹介した三つの活動は、それぞれコミュニケーション能力が求められる活動です。
自分で適切な言葉や文を考えて、発音やイントネーションに注意しながら相手にしっかり伝える。そして相手の言葉や文をしっかり聞き取り、理解する。
その目的を見失うと、ただただ「おもしろい」だけの活動になってしまうかもしれません。
同じ国の学習者同士だとついつい母語で会話してしまったり・・・。
それではまったく意味がありません。
このような学生同士が盛り上がる活動は、実は教師がクラスをコントロールする力量が最も試される時間だと思います!
本記事は、活動ネタの第3弾です。第1弾は、こちらの記事「【日本語授業】簡単にできるおススメ活動ネタ~意外と盛り上がります」です!
盛り上がるゲーム・活動の第2弾もありますので、よろしければこちらの記事もお読みください!
日本語授業の中に気軽に取り込める「日本文化のミニ体験」についてはこちらの記事にまとめました。
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