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【日本語学校】授業で気軽にできる日本文化ミニ体験9選

日本語教師をめざす方

日本語学校では、留学生達に日本文化を紹介し、体験してもらうことがあります。

本記事では、気軽に授業の中に組み込めるような「日本文化ミニ体験」をご紹介します。

大がかりな準備も不要で、どれも本当に手軽にできるものばかりです。

まず、けん玉です。

似た遊び方をする類似のおもちゃは世界各地にあるようですが、

現在日本で一般的に用いられている形のけん玉は日本発祥のもので、

海外でも”KENDAMAと呼ばれています。

愛好家も世界中にいるそうです。

けん玉は100円ショップでも購入できます(←ただし、お値段なりの物ではあります。もう少ししっかりした品質を求めるなら、こちらのようなもの(amazon)をどうぞ。)。

教室に持ち込んで学生に渡すと、・・・時々、ムキになってず~っと挑戦し続ける人が出没するので要注意です(笑)

次に、折り紙

世界各地に布や紙を折る文化はありますが、

やはり日本の折り紙はとても繊細で独特な形も多く、

世界的に”ORIGAMI”として有名です。

日本語学校では、クラス全員で「」を折りました。

きれいな千代紙風の折り紙(例えばこんな感じのもの)を持っていくと喜んでくれる学生もいました。

なお、こんな折り紙(富嶽三十六景)も学習者に喜ばれそうです。

ちなみに・・・ベトナム人留学生の中には、私が教えなくても既に折り鶴が作れる人がいました。

が、彼らが作って見せてくれた鶴は、なぜか首の太い鶴なのでした・・・。一様に!

なぜ???

準備や後片付けに手間のかかる書道の代わりに簡単・気軽に楽しめるのが「筆ペン」です。

自分の名前をカタカナで書いてもらいました。

ペン先の硬さは何種類かありますが、おもしろいのは本当の毛筆のようなタイプ。(上級者向けです。)

学生はグニャグニャとした筆先に苦笑いしながらも頑張っていました。

七夕の短冊や年賀状を筆ペンで書いてもらったこともあります。

長めの紐が一本あればできる「あやとり」も世界中で見られる遊びです。

が、作る形や遊ぶ人数は各地で違うようです。

自分ひとりでいろいろな形を作り出すあやとりの多くは、日本独特のものだそうです。

YouTubeを見ながら、自分ひとりで、あるいは隣の人としてもらいます。

カルタは外来語です。が、今や日本の伝統芸能化しています。

日本には平安時代の昔から貝覆い(貝合わせ)という遊びがありました。

それとポルトガルから入ってきたカード遊びが融合して、今のカルタ遊びができたようです。

カルタは市販のものでもいい(初級ならこちらのようなもの。中級以上なら、ことわざカルタ等も良さそうです)ですが、時間があれば読み札と絵札を学生に作ってもらうこともできます。

絵が好きな学生は、小さな紙の中に大作を描いてくれます。

(読み札づくりは中級以上でないと難しいかもしれません。)

本格的な茶道をしようとすると大変ですが、急須で煎茶を入れてみんなで飲むのは簡単です。

以前、煎茶を飲む時間にとびきりかわいい和菓子の「練りきりを持っていったところ、学生たちは写真を撮って喜んでいました。

練りきりは伝統的な和菓子職人の繊細な手業によって作り出されるものです。

みんなでお茶と練り切りをいただきながらYouTubeで作り方の動画も見ました。

こまも世界各地にあり、元々は大陸から伝わったもののようですが、その後日本で独自の進化を遂げました。

美しい彩色の木製のもの、形が独特のものなど、各地に伝統工芸品としていろいろなこまがあります。

ちなみに漢字で書くと独楽。先生の話術でおもしろく紹介できれば、漢字好きな学生にはウケると思います。

逆立ちゴマ、相撲ゴマも楽しいですね。グループを作って対抗戦もできます!(←Amazonへとびます)

お手玉も世界各地に似た遊びがあるそうですが、日本でも伝統的な遊びの一つです。

両手で、片手で、一人で、二人で、歌を歌いながら、…

いろんな遊び方ができます。

教師が片手でうまくできれば、一瞬ヒーローになれます(笑)

とはいえお手玉はもう「家にない」という人が多いかもしれませんね。

私も子どもの頃は家にありましたが、今の家にはありません。

毎年使うつもりで以前アマゾンで購入しました。こちらのお手玉と同じような、日本的な柄のものです。

ゲームやアニメ、マンガ、映画やドラマ、J-pop等々、日本のポップカルチャーも世界で注目されています。

私は時々、J-popを流して聴き取り練習(一曲全部やるのは大変ですから、指定した一部分のみ書き取ってみる)をします。

選曲が授業の成否を分けるポイントです。

・日本人にもある程度有名な曲(←日本人と一緒に行くカラオケでも披露できるようになって一石二鳥です)

ゆっくりめで、ハッキリ歌われていて、歌詞が聴き取りやすい曲

難解、独特な表現が少ない曲(さまざまな効果を狙ってわざと正しくない文法にしたり、ほぼ日常生活で使われない語句を多用しているような曲は避ける)

がいいのではないでしょうか。

例えば私は、平井堅、秦基博、いきものがかり、SMAP、岡村孝子、zard、槇原敬之、などの曲を実際に扱ったことがあります。

・・・わたしはオバサンなので(笑)最近の曲はあまり知りません。が、上記アーティストたちは有名なので、ちょっと古くても歌い継がれていて若い人にも知られた名曲がいろいろあります。

なお、マンガなどを使う場合は、くれぐれも著作権にお気をつけください

いかがでしたか?

本当は生花や着付けなど、他にもやってみたいことはたくさんあるのですが、お金がかかったり準備や後片付けが大変だったりするのが難点です。(私には技術もありません…)

今回ご紹介したものは、誰でもできるものばかりです。簡単だけれど立派な「日本文化」の体験であることがポイントです。

さて、こうした授業は、普段の授業ではぼーっとしている学生でも、イキイキと取り組んでくれる場合が多いです。

日本文化に実際に触れて、単純に「楽しい!」「おもしろい!」と思ってもらう、というのがこれらの体験授業をすることの第一の理由です。

ただ、中にはもちろん、そうした事にあまり興味を持たない学生もいます。普通の授業の方が良いという学生もいます。

それでも強制的に【全員参加】で体験してもらうのには、もっと実際的な理由もあります

彼らの多くは将来、日本での進学、そして就職を見据えて日本語を学んでいます

進学でも就職でも面接がつきものですが、彼らがよく聞かれる定番の質問があります。

面接官
面接官

○○さんは、どうして日本に留学しようと思ったんですか?

という質問です。それに対して、

留学生
留学生

日本が好きだからです。

と答える人が多くいます。すると、

面接官
面接官

たとえば、日本文化で何か好きなものはありますか?

なんてことを聞いてくる面接官もいます。

そのとき、ただ「本やビデオで見た」というだけでは薄~い回答しかできません。

ほんの少しでも何か実際に体験をしておけば、その楽しさや難しさ、美しさなどを具体的に答えることができます。

そのためにも、こういう日本文化の体験(広く、薄く、でもOK!)は多ければ多いほど役立つと思います。

・・・というわけで、日本語学校で日本文化を伝える意味は、とても大きいと思います。

「日本語学校の一年」として、月ごとに取り上げられることの多い文化的な行事や風物詩をご紹介したのは、コチラの記事(1~6月)と、こちらの記事(7~12月)です!

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