【日本語学校】留学生ってどんな人達?どんな生活をしているの?

日本語教師をめざす方

日本への留学生といえば、

日本が純粋に好き!という気持ちでやってきた人‥‥‥もいますが、

そうした人ばかりではありません。

残念ながら。

では、どんな人が日本へ留学しているのでしょう?

留学生たちの話を聞いていると、おおまかに分けて5つのタイプがいるような気がします。
(あくまで私の周囲調べですが…)

では、彼らはそれぞれどんな留学生活を送っているのでしょう?

この記事では彼らの留学生活の詳細を探っていきます!

意欲の強さに濃淡はあるものの、なんだかんだでこのタイプが一番多いのではないかと思います。

日本語をまじめに勉強して身に付け、『いい学校』に進学し、その先に日本で『いい会社』に就職したい」という気持ちで留学した人たち。

これまで私が関わってきた学生達も、多くはこのタイプです。

難関国立大学に入学し、名の通った企業に入った人もいますし、今は起業して自分の会社を持って頑張っている人もいます。

ただ、留学後にその意思を貫けるそんな人ばかりではなく、次第に意欲や目標を失って失速してしまう人もいます。、、、たくさん!

現実に生活が大変だったり、思ったように日本語力が伸びなかったり、失速の原因はいろいろあると思いますが、元々がまじめな気持ちで留学した人であれば、日本語学校や専門学校の教師のサポートで、なんとか持ち直す場合もあります

かつて日本語学校でまじめだけれど成績が伸びず、試験に落第して同じレベルのクラスを複数回やりながら2年がんばって卒業した東アジア出身の学生がいました。最初に希望していた大学には入れませんでしたが、その後も努力し、彼は今、日本の会社で働いています。日本で結婚し、パパになり、すてきな家族を築いています。日本語も、本当に上達しました。

アジア圏(中国や韓国など、一部の国を除く)やアフリカの一部の国からやってくる留学生に多いのは、このタイプだと思います。

日本の経済状況にはさまざまな課題があるものの、現在でも世界でのGDPランキングでは4位です(2024年)。まだまだ自分の母国より日本に来た方が「仕事があり、稼げる」と判断して留学する人達はたくさんいます。

中には大きな借金を背負って日本へ来る人もいます。「日本に来ることさえできれば、大金を稼げる」と思い込んで…。

彼らは、日本語学校に来ると早速アルバイトを探します

SNSや日本語学校の先輩・友人等、同国人コミュニティの中で情報を得て、少しでも稼げる、「いいアルバイト」にありつこうとします。さらに条件のいいアルバイトがあれば、掛け持ちしたり、そちらに移ったりします。日本での生活が少し落ち着いてくると、より時給の高い夜勤にも間違いなく手を出します。

つまり夜は仕事、昼間は学校という相当ハードな生活になります。

それでも体力がある若者は、生活を楽しむことも忘れません。どんどん稼ぎ、その一部を使って遊びに行きます。恋もします。そうして楽し気な写真をたくさん撮ってSNSにアップしたりします。そのためには、日常で節約できる部分はしっかり節約する努力も怠りません。

こうなると、さて昼間の学校ではどうなるか?

寝ます(笑)。疲れていますからね。勉強どころではありません。

特に元々勉強する気がなく、ただ稼ぐこと【だけ】を目的に来ている人は、確実に、寝ます

それでも授業に出席し続けるならともかく、だんだん出席率が下がる人・・・そしていつしかフェードアウトしてしまう(どこかにいなくなってしまう)人も出てきます。

ただし!

一部の本当にエネルギッシュな出稼ぎ留学生たちは、よく働き、よく学びます。昼間も学校に来てそれなりに真面目に勉強をします。そうすることで、日本語学校を卒業後、専門学校などに入学してもっと稼ぎ、さらに日本で就職して就労ビザを取得し、働き続けようという人たちです。

素晴らしいですね。(アルバイトは一週間に28時間以内という法律を守ってくれていれば…ですが。)

28時間を超えてアルバイトをし、それを入管に指摘されてしまうと、悪質な場合はもう留学を続けることはできなくなってしまいます。留学生ビザが打ち切られるので、帰国するしかありません。これまでに何人もそんな留学生を見てきました。

…法律ですから仕方ないのですが…悲しい別れとなります。

また、行方不明になってしまう人もいます。

ちなみに、このタイプには時々、若い「パパ」や「ママ」も混じっています(あまり自分から言わない人が多いですが)。国に家族を残して、大黒柱として留学する人もいます。

これもアジア圏の人に多いです。

家族や親類、同郷の人たちに勧められて日本に留学する人達です。

勧める人の中には、過去に日本に留学していた、あるいは現在留学中の人もいます。経験した上で良かったと勧めるわけですから、勧められた方も心が動くのでしょうね。

中国からの留学生の場合、大半の目的は「大学」進学でしょう。アメリカを中心とした欧米への留学が中国では一番のステータスだと思いますが、中には我が子に日本留学を勧める親もいるようです。(現在の中国には経済的に豊かな人たちがたくさんいます。そういう親が我が子のためにたっぷりお金を出して留学をさせるそうです。我が子が留学し、外国の大学を卒業したということは一種の箔付けにもなると聞きます。…二十年前は「出稼ぎ」系の中国人留学生が非常に多かったものですが…時代は変わったなあ…)

中国等、一部を除く国からのこのタイプの留学生は、やはり日本に来ると稼げると思っていますから、上の「出稼ぎ留学生」タイプと似た流れで生活する人が多いようです。

ただし「日本でがっつり稼ぐぞ!」ということを最初から一番のモチベーションにはしていないことも多く、出稼ぎ留学生ほどはガツガツしていないように思います。

生活を楽しみながらそこそこ稼ぎ、勉強もして、日本語学校かその先の進学先でJLPTのN3~N2ぐらいが取れたらいいかな~・・・のような、ふんわりした目標を持っている人たちがたくさんいるように思います。

ただ主体性と、自分できちんと物事を見極める目を持っていないと、周囲の雰囲気に流されてしまうこともあるようです。

ある留学生は、同郷の人に勧められるまま日本へやってきました。日本語学校から専門学校へ進み就職活動をしたものののなかなか決まりませんでした。そうしてどうしたかというと、アルバイト先の同国人に勧められるまま外国人就労の仲介業者に仕事を紹介してもらおうと高いお金を払ってしまいました。が、結局まともな紹介はなくて…泣きを見ました。

このタイプは、別に留学にも就労にも大きなこだわりはなく、ただ自分の人生で外国で生活する経験がしてみたかった人たちです。

別に日本でなくても良かった、という人たちです。

実際、「本当は韓国に行きたかったけれど難しかった」という留学生や、「本当はアメリカに行きたかったけれど英語が苦手だった」という留学生が、かつて私が教えた中にも何人もいました。

日本は、留学生にとってアルバイトの縛りが(他国と比べれば)緩い方で、働きながら生活のしやすい国のようです。(例えばアメリカでは「留学生」は学校内でのアルバイトしかできないなど、厳しい制限があります)

このタイプの人たちの来日後の生活は、いろいろですね。

もともとが割とフワッとした気持ちで来日していますから、意志の弱い人は、あまり良い留学生活にならない場合もあるようです。日本で知り合った人々の影響で「稼げる」ことを知ってしまった人は、アルバイト三昧になることもあるでしょう。(その後、オーバーワークを入管に指摘され、強制帰国になったかつての教え子は、「日本に留学したこと自体が間違いだった」という悲しい言葉を残して消えていきました…)

私がかつて教えていた専門学校では、卒業しても就職せず、日本で就労ビザを持つ同国人男性と「結婚」を選ぶ女性(アジアの女性が多かったです)が何人もいました。(アジアの中で日本は晩婚化が進んだ国です。他の国ではもっと早く結婚出産する人が多いようです)。教師としてはせっかく専門士を取ったのにもったいない・・・とも思いますが、彼らは彼らなりに幸せそうでした

もちろん、日本に来てみて日本が好きになった人は、まじめに勉強しながら就職を目指し、長く日本にいる道を選びます

マンガ、アニメ、ゲーム、コスプレ…。日本を代表するポップカルチャーが好きな若者は世界中にいます。

もちろん、古くからの文化や日本の文学等に魅力を感じている人々もいます。

そうした人たちは純粋に日本に来たいという一心で、留学した人です。

真面目に勉強し、真面目に暮らし、日々の生活を楽しんでいます。

私がかつて教えた留学生にもこのタイプがいました。が、私の周囲では少数派なので、生活の実態はあまりよく知りません。

(もしかしたら欧米系中心の日本語学校には多いのかもしれません)

以上、おおまかに五つのタイプにまとめてみました。

中には「え?」「は?」と思われることもあるかもしれませんが、あくまで一日本人教師の個人的な経験をもとにした記事ですのでご容赦ください。

また、きれいに五つのタイプに分かれるものでもなく、複数のタイプに重なっているなあと思う留学生もいます。

ともかく、いろんなタイプの学生と出会い、話ができることは、日本語教師という仕事の醍醐味の一つです。

日本語教師でなければ出会えなかった世界の若者と過ごす日々の時間を、これからも楽しんでいきたいと思いますし、この楽しみをこれから日本語教師になる方たちにも楽しんでいただきたいと思います。

・・・②タイプの留学生に悩まされることもあるかもしれませんが、(→こちらの記事のように…)自分にできることはまじめに考えつつ、でも悩み過ぎることもなく、この仕事を楽しんでいきましょう!

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