晴れて日本語教師の資格を取得した皆さん、おめでとうございます。
次はいよいよ就職ですね。
就職のためには通常、書類審査、模擬授業、面接を突破しなければなりません。
書類審査については、こちらの記事でまとめました。
ここでは、「面接」についてまとめています。
だれに何を聞かれるのか?
何分ぐらいかかるのか?
一つの質問にどれぐらい答えればいいのか?
なお、この記事は初めて日本語学校に就職しようとされている新人さん向けのものです。
ちなみに筆者は・・・
日本語教師になって初めての就職活動:3戦中2勝1敗(←微妙・・・)。 その後、仕事場を変えるために幾度か採用試験を受けて、受かったり落ちたり。 専任講師時代には(日本語学校および専門学校で)面接官経験あり。
です。
なお、面接官が具体的には何をどんな風にチェックするのか?については、別にまとめますので、よければそちらの記事もご覧ください。
また、この記事を読んだ後に自分1人で面接練習してみたいと言う方は、記事の最後に動画を貼ってありますので、そちらでどうぞ。
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面接官って、だれ?
学校の規模にもよりますが、非常勤講師採用の場合、1~2人程の採用担当者が面接することが多いようです。専任講師採用の場合は、もう少し多いこともあるでしょう。
面接官は、まず主任教員。
他にはその学校に長く勤める専任講師や、学校の長(学校によって校長、学院長、はたまた理事長・・・いろいろ。その学校のエラい人です。)などが同席しています。
私の経験では、事務長が入っていたこともありましたし、主任教員一人だったこともありました。
面接は主任教員が主導権を持って進められると思います。
・・・ここからは、「ちなみに」のお話。
毎日の教員室を取り仕切るのは主任教員ですから、この人とは働き始めるとたくさん接点を持つことになります。主任教員の人柄で現場(教員室、ひいては教室、学校全体)の雰囲気は変わります。この人との相性はとても大切です。
主任教員に気に入られれば合格に近づきます。
とはいえ、なにも「選ぶ」のは、あちらだけではありません。
こちら(応募者)側も、よく相手を観察しましょう。あなたが相手を気に入るかどうかも、就職後の働きやすさが決まる重要なポイントです。
ここだけの話、日本語教師を長く続けている人の中には・・・(日本語学校〔法務省による告示校〕の主任教員は、3年以上の専任経験が必要です)・・・かなり個性的な方もいらっしゃいますよ。
面接はマッチングです。相性の良い学校と出会えるといいですね。
何を聞かれるの?
では、面接試験では具体的にどんな質問をされるのでしょう?
これまで教師仲間から聞いた話、私自身の経験を整理してみました。
- 自己紹介をお願いします。
- どうして日本語教師になろうと思ったのですか?
- どこで、どのように日本語教育について学びましたか?
- 数ある日本語学校の中で、どうして本校を志望されましたか?
- 将来どんな日本語教師になりたいですか?
- あなたの性格を教えてください。
- 履歴書の○○に~~~と書いてありますが、これについて詳しく教えてください。
- 授業中の学生の問題行動(居眠り/スマホで遊ぶ/宿題をまったくやってこない/テストでカンニングする/等々)に、どう対応しますか?
- もし学生から、休日に遊びに誘われたらどうしますか?
- 他の日本語学校にも応募していますか?
- いつから働けますか? +(非常勤の場合)何曜日のどの時間帯に働けますか?
- お給料は多くないですが、生活は大丈夫ですか?
- 何か質問はありますか?
- 〔おまけ〕とんでも質問
これに加え、もし面接前に模擬授業を行った場合、「振り返ってみてどうでしたか?」という質問もあることでしょう。私が面接官の時は必ずしていましたし、応募者の方から「フィードバックをお願いします」と言われることもありました。
また、模擬授業を終えてホッとしているところへ、その日に扱った文法との関連項目などをここで追加質問してくる学校もありますので、要注意です!
また、コロナ禍の日本語学校「冬の季節」を経て、今はたくさんの学習者が日本に押し寄せている状況ですが、日本という国の言語を学ぼうとする学生が今後も右肩上がりに増えていくか・・・というと、残念ながらそうではないと思います。そのことへの意識が高い学校は、「日本語教育の今後の展望」について質問してくるかもしれません。これから日本語教師をめざす皆さんは、一度じっくり考えておくといいかもしれませんね。
ところで14.について少々解説します。
これは、事前に予想して準備しておくことが難しい質問です。私自身はそんなイジワルな質問をしたことはありませんが、私がされたことがあります。
「来日したばかりでN4の力も持っていないような学生に、この学校から最寄り駅までの道のりを説明してみてください」
![](https://nihongo-walker.com/wp-content/uploads/2024/04/29105894_s-1.jpg)
・・・複雑な道のりではありませんでしたが、とっさのことで語彙コントロールも難しく、ジェスチャーをたくさん使いながらなんとか説明したものの、かなりアタフタしてしまいました。
今思うと、面接官の意図としては、普段からきちんと初級学習者に伝わる話し方ができるのかという点と、予想外のことにぶつかった時に落ち着いて臨機応変に対応できるのかという点を見ていたのだと思います。
まあ、こういう「とんでも質問」への準備などだれにもできませんから、うまく答えられなくても落ち込む必要はないと思います。ただ、常に「落ち着いた態度」をキープできるような修練は、日本語教師として大事かもしれませんね。
面接時間は?
短いと10~15分程度、長いと30分以上かかることもあります。
やはり専任講師応募者に対する時間は長めになる傾向があるようです。
私が専任で雇われた学校では、一時間近く、かなり深いところまで話しました。
長く話したことで、教務主任の人柄や学校の姿勢のようなものもほんのりと垣間見えましたし、私自身のことも理解してもらえたと思います。
ただし、長く話せばいいというわけでもありません。
一つの質問に対してダラダラと長く答えることは、むしろマイナスです。頭の中が整理されていない人に見られてしまいます。
もちろん、簡潔すぎて短いのも、マイナスです。何も考えていない人、あるいはコミュニケーション能力の低い人に思われてしまうでしょう。
理想は、一つの質問につき、1分です。
上記の質問事項だと、10~13の答えは必然的に短くなると思いますが、それ以外はだいたい1分前後で話せるように練習しておくといいと思います。
何事も、準備が大切!
ということで!
上記を踏まえて、面接練習をしておきましょう。
日本語学校の就職活動をされる方向けの、面接シミュレーションです。
1人で練習できますので、一度やっておいて損はないと思います!
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⇧⇧⇧(声は「音読さん」利用です)
備えあれば憂いなし。
何事も事前の準備が大切ですね。
いい日本語学校と出会えることを祈っております!
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