セクハラ、パワハラ、モラハラ・・・
世の中、いろんなハラスメントがありますが、マルハラって聞いたことがありますか?
今日、日本人の若者から聞いた言葉です。
マルハラとは
マルハラの「マル」とは、文の最後に打つ句点、つまり「。」のことだそうです。
句点のハラスメント、と聞いてピンとくるかどうかは、年齢層によるのでしょうか。
なぜ句点がハラスメントになるのか?
・・・私にはまったく想像がつきませんでした。
分からない方、ちょっと考えてみてください!
私は、しばらく考えて「句点を打たない文を書く人に嫌味を言う行為のこと?」
と聞いてみましたが、これはまったくもって的外れでした。
答えは・・・⇩⇩⇩
「lineなどで、最後を句点で終わらせることで、相手を不快にする行為」
だそうです。
えええええ!?!?
最後に「。」の、何がいけないの~~~っ!?!?
大学生の娘に聞いてみた
あまりに衝撃的だったので、帰宅後、娘(大学生)に聞いてみました。
彼女は「マルハラ」という言葉こそ知らなかったものの、
意味を聞くと、「ああ、なるほどね、分かるよ。」と言うではありませんか!
彼女いわく、
「最後が句点で終わっていると、なんか怖い気がする。威圧されているような感じ。対面でもきっぱり言い切る人って、キツイでしょ?」
「もう『はい、そこでこの話は終了!』って打ち切られてる感じがして嫌だ。」
と。
まったく解せなかったので、例をあげてもらいました。
アルバイト先の上司からlineで
「シフトに入ってくれませんか。」と言われるのと
「シフトに入ってくれませんか」では
後者の方が「感じが良い」のだそう。前者は、ものすごく上から目線で命令されているようで断りにくく感じるそうです。
ううううううむ、そうでしょうか?
句点を付けるということが、きっぱり言い切ることになるの?
ただの区切りではなくて??
私には初耳の価値観でした。
句点がない文、私は苦手だけど…
私は、日本語教師です。
留学生たちには、文の最後に必ず「。」をつけるように指導しています。
文章のタイトルとかキャッチコピーとか、わざと句点をつけないものもありますが、それは特殊な例。
基本的にはつけるものだと思ってウン十年間生きてきました。文を一度終わらせるための記号としてこれを使っていない文に接すると、おばさん世代としてはどうしてもモヤモヤしてしまいます。
とはいえ、現代社会を必死に泳いでいる留学生たちには、できる限り日本の「イマドキ」の若者文化とか事情とかも伝えたいと思っています。
・・・まさか文の最後に句点を打たない方がいい、なんて教え方はしませんよ(この習慣?文化??は若者の一部分だけのものかもしれませんし、もしかしたらあっという間に消え去る価値観かもしれませんから)。
でも、句点にキツさ、怖さを感じる日本人の若者もいるということを、どこかのタイミングで一度伝えてみようかな? 日本語上級レベルの学生となら、そこから日本の若者について面白い議論にできるかな? という予感もあります。
若者文化の栄枯盛衰はあっという間に進んでいく
若い人発信の文化の流行りすたりは、スピードが本当に速いと感じます。
メールが面倒だ、ということでlineを流行らせたのは若者だと思うのですが、今やlineも流行おくれだとか?
かわいい絵文字や顔文字をたくさん使っていたのは若者だと思うのですが、今やそれらを使うと「オジ」「オバ」(おじさん、おばさん)だと認定されてしまうとか?
インスタで「映え」る「盛った」写真をたくさん撮っていたのも若者ですが、今やそれは「ダサい」ことなのだとか? 今はむしろBeRealというSNS(←知っていますか??)のように、飾らない等身大の自分を見せることの方がカッコいいのでしょうか…。(あ、BeRealが話題になったのも2023年のこと。2024年はまた違うSNSが登場し、若者の社会を席巻するのかな??)
ですから、「句点を打たない方がいい」という流れ(感じ方)も、もしかしたらすぐに消えてしまうのかもしれません。
句点のススメ(おばさん世代の主張)
今のような形で「句点」が使われ始めたのは、明治時代です。
古い日本文学には、「。」なんてなかったとか。
国語の古文の教科書では便宜上「。」がありますが、現代の句点の付け方とはかなり違っている部分もあります。
たとえば高校時代に教科書で読んだ源氏物語。「。」がないまま長々と続く文の中で、途中で主語などが入れ替わっていたりして。本当に複雑で読みにくかったです。
現在の日本語には句点があります。これは素晴らしい「発明」だと思います!
せっかくあるのですから、有難く使わせていただくべきだ!と思います。
文末に使ったからといって、それをハラスメントだと感じる人は、世の中全体で見ればごくごく少数派…だと、思いたいです!
皆さんは、どう思われますか???
ホワイトハラスメント(ホワハラ)については、こちらの記事をどうぞ!
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