世の中の社会情勢や日本国内の様々な状況により、日本への留学生数は時期によって増減します。
それに伴い、日本語学校の求人数も増減します。
最近ではコロナ禍がありました。
留学生の激減に伴い多くの日本語学校で教師が余り、「自宅待機」といった言い方で実質「解雇」になるという状況が2年ぐらい続きましたが、
今はその反動もあって驚くほど多くの留学生が日本へ戻ってきています。
当然、日本語学校は人手不足です。
さまざまなサイトで日本語学校の求人数が大幅に増えています。
では、どこで働くか?
この記事では働く人のための日本語学校のさがし方として、
有名な求人サイトの紹介と、それぞれの特徴をまとめてみました。
なお、働く日本語学校の選び方として、別記事で「こんな学校は危険だ!」と筆者が考えるポイントをまとめています。よろしければそちらの記事も合わせてお読みください。
日本語教師の求人サイト
有名どころとしては。
- 日本語オンライン
- 日本村
- 日本語教師の集い
- 日本語振興協会
- 日本語教師ジョブ
- そうがくしゃ
- jegs
- IJEC
- 大谷書店
- 国際交流基金
などがあります。
また、意外なところでハローワークにも求人があります。
さらに、日本語教師キャリアというところは、サイトもありますが、登録すればメールでその人の条件に合いそうな求人情報が送られてきます。
各サイトの特徴
では次に各サイトの特徴をまとめます。
先に記しておきますが、周囲の情報も得た上ではありますが、個人的な感想も入っています。
日本語オンライン
日本語オンライン http://nihongo-online.jp/net/index.php?page_id=0
非常に有名。
語文研究社という会社が運営しています。日本語のテキスト(『ニューアプローチ』他)を出版したり、企業等で日本語能力を判定する試験として利用されている『J.test』を実施したりしている会社です。
求人は東京都・東京以外の東日本・西日本・それ以外(海外やプライベート)と分かれて掲載されています。
各求人ページへ進むと、トップのリストにずらっと学校名が出てきて、そこで職種(常勤か非常勤か)、募集人数、場所などが分かり、詳細をクリックすると待遇などが出てきます。
求人数も多く使いやすいので、私が転職するならまず、ここを見ます。
また、『jREC-IN Portal』という大学や高等専門学校などの研究者人材募集のサイト(科学技術振興協会のもの)と、『日本語教育学会』の教師募集情報(大学の他、専門学校や日本語学校、日本語教育関係の出版社などが載ることもある)のサイトがリンクされていて、このサイトから簡単に飛ぶことができるので便利です。
このサイトには日本語教師たちが情報交換したり質問しあったりする掲示板もありますが、今はほとんど活用されていないようです。
NIHON MURA(日本村)
NIHON MURA https://job.nihonmura.jp/category/new/
台北に住所がある「日本村有限公司」というところが運営しているサイトです。
全国の求人の最新情報の上部(学校名・勤務地住所・資格あたりまで。学校によっても違う)が記載された欄がずらっと出てきます。
クリックすると、勤務形態(常勤非常勤)や待遇等の詳細が見られます。
都道府県別、海外国別で見ることもできます。
登録すると、メールでも求人情報が送られてきます。
複数の学校が集まっての採用説明会(東京だと新大久保や早稲田など)も割と頻繁に開催しています。この情報も、登録しておくとメールで送ってくれます。
※日本村と「さんぽう」が主催して行われた日本語学校合同説明会に参加した際のレポートは、こちらです。ぜひお読みください。
日本村のサイトには他にも日本語教育関連の講座やイベントの案内もあります。
日本語教師の集い
日本語教師の集い 日本語教師の集い – 日本語教師の求人一覧
シンガポールのE-Stream Pte Ltdというところで運営しているサイトです。
国内だけでなく、海外(主に中国が多い印象)やオンラインの講師募集も多く掲載されています。
機関名・募集人数・勤務国・締切日などが、掲載日順にずらりと並んでいます。
「詳細を表示する」をクリックすると、応募条件等の詳細が見られます。
このサイトには日本語教育に携わる人たちの「コラム」欄があって、そこには興味深いコラムが掲載されることがあるので、私は定期的にチェックしています。(※2024年10月現在はあまり更新されなくなってしまっています。)
また、意見交換等ができる掲示板もあるのですが、ここは一時期、荒らしのような変な書き込みが発生していました。それを運営者がブロックしたのだと思いますが、その後、書き込みがほとんど見られなくなりました。荒らしが入る前は建設的な意見交換も多かったので非常に残念です。
日本語振興協会
日本語振興協会 https://www.nisshinkyo.org/
いわゆる「日振協」の運営です。
協会会員校の求人情報が掲載されます。
数は多くないです。
この協会は、日本語教育を盛り上げるためにいろいろな機関と連携して日本語学校等のサポートや各種研修、留学生の実態調査などを行っているようです。
以前私が勤務していた学校も会員校でした。
会費がかかるからか、活動に意義を感じないからかは分かりませんが、会員校でない学校もあります。
求人情報が少なめなわけです。
日本語教師ジョブ
日本語教師ジョブ https://nihongokyoshi-job.com/
株式会社トレデキムが運営しているサイトです。会社概要によると日本語学校に特化したコンサル業や人材紹介、サポート等をする会社のようです。
求人サイトは、「エリアから探す」「雇用形態から探す」「職種から探す」等に加えて、「特徴から探す」という探し方ができます。
この「特徴」には、たとえば「1授業8000円以上」とか「資格取得支援制度あり」とか、いろいろな特徴から探せるようになっていますので、ポチポチしてみると面白いなと思いました。
そうがく社
そうがく社 http://www.sogakusha.co.jp/kyoshi.htm
にほんご書店そうがく社が運営しています。
日本語教育界では専門の本屋さんとして有名な会社です。神保町にある面積は小さめの書店(失礼)ですが、ここに行けば一通りの日本語教育関連の本が見られます。以前、新年度に使用する教科書類を選定するときなど、私もお世話になりました。
このサイトの中にある教師募集情報ですが、学校名、職種名、勤務地、応募資格、勤務条件・・・等が出ているものの、肝心の待遇(月給/時給)は掲載されていません。
連絡先は出ているので、そこに各自で問い合わせるしかないようです。
ただし、学校名をクリックすると、そこに各学校の求人ページが出てくることもあり、そこには待遇が記載されていたりします。
JEGS
JEGS https://www.jegsi.com/job-offer/latest
ジェグス・インターナショナルという会社が運営しています。
ジェグスというのは、Japanese Education Global Supportのことだそうです。HPによると、海外の教育や教育施設の情報提供や、日本語教師アシスタントの海外派遣関連、日本語教師養成講座の手配代行・・・等々、幅広く行っている会社のようです。
こちらの求人一覧には、新着順に縦にずらりと情報が並んでいます。
ただし求人情報は一般的な日本語教師以外にも、たとえば海外で日本人や日系人の子供が通う幼稚園等の教諭募集も含めて記載されています。
トップにある情報は、締切日・場所・職種・勤務先の名前だけです。この「職種」欄に「日」と書いてあるのが、日本語教師の募集案件です。
勤務先の名前をクリック(タップ)すると、詳細が表示されます。
国内での日本語学校求人情報は多いとは言えませんが、海外の求人も多いため、海外での仕事に興味がある人は特にチェックしてみてほしいサイトです。
IJEC
IJEC(国際日本語研修協会)が運営しているサイト。
この団体は留学生、日本語教師、日本語学校の支援活動を通して日本語教育の活性化を目指し、各種の事業を展開しているそうです。2019年からはアークアカデミーが母体になっているようです。
日本語教師求人情報を見ると、受付日、場所、学校名、専任非常勤の区分、締切日などが簡潔に書かれた情報がたてにずらりと並んでいます。その上をクリックすることで詳細ページへ行くことができます。
ちなみにここの母体となっているアークアカデミーのサイトにも日本語教師求人情報があります。が、ここは一般の人は利用できません。
アークアカデミーは日本語教師養成講座(いわゆる420時間)を開講しており、そこの修了生に向けたサービスだそうです。
大谷書店
福岡にある大谷書店という、日本語教育関連の専門書店が運営しているサイトです。
ここの就職情報は【九州・中国・四国】と【関東・関西・その他】に分けて紹介されています。
福岡にある書店だけあって、九州(特に福岡市)の情報が一番充実しているようです。関東を含むその他の地域の情報は少なめです。
ですがこのサイトは日本語教育関連の情報が充実しています。教師向けの研修やイベント情報や、国内に住む外国人向けの情報、日本語教育関連ニュース等、さまざまな情報への入り口が詰まっています。
私は関東在住なのでここの求人情報は見ませんが、日本語教育関連のニュースは時々チェックしています。
国際交流基金
国際交流基金 https://www.jpf.go.jp/
独立行政法人「国際交流基金」のサイトです。
HPによれば、この法人は「日本の友人をふやし、世界との絆をはぐくむ」ことをミッションとしているそうです。
ここにも「採用情報」がありますが、これはこの法人で働く人を募集するものです。また日本語パートナーズ(海外に期限付きで派遣され、文化交流や現地の日本語教育の一環を担う)の募集も定期的にあるようです。仕事内容は一般の国内の日本語学校とは違うと思います。
ハローワーク
ハローワーク https://www.hellowork.mhlw.go.jp/
昔、ハローワークで日本語教師募集というのは、ほとんどなかったと思います。
が、今はあります。
何度かリサーチしてみましたが、ここ最近のリサーチで日本語学校求人がなかったためしがありません。(とはいえ上で紹介した人気のサイトにくらべると、量は少ないです)。
よほど人手不足、かつ、日本語教師に関心のある人(既に日本語教師の資格をもつ人も含め)が世間に多いということだと思います。実際に行くのはハードルが高いという人は、とりあえずネットで調べてみましょう。
ちなみに、私は過去に、ハローワークで掘り出し物情報を見たことがあります。その時、他のサイトでは見たことのない案件でした。おそらく日本語教育にあまり詳しくなく、上記のようなサイトを知らない担当者が出した求人だったのでは?と思います。
めったにないことかもしれませんが、チェックしてみて損はありません!
日本語教師キャリア
日本語教師キャリア https://job-nihongokyoshi-career.com/
REBOOT JAPANという会社が運営しているサイトです。
求人のトップページで地方(都道府県)を選ぶと、その地で募集している学校の案内が出てきます。
求人情報が並んでいるので、興味のある所をクリックすると詳細が見られます。
この会社は、日本語教師や学習者に向けて幅広く情報提供するサイトの運営と同時に、日本語教師の人材紹介も大きな柱の一つのようです。
よって、日本語教師が登録すると、メールで、条件に合いそうな求人情報が送られてきます。
私も以前、登録してみました。
率直に言って、当時はそこまで目新しい情報は多くありませんでしたが(他のサイトで見たことがある求人など)、頻繁にメールで情報は送られてきました。
もしお給料交渉などまでやってくれるのでしたら利用したいと思います。が、今のところ利用したことはないのでその辺りは分かりません。
時折、イベントの情報も流れてきます。
!求人情報を見る際の注意点!
日本語学校の求人票を見る際には、ぜひ注意してほしい点があります。
それは、時給と、学校との契約形態です。
その点については、こちらの記事『日本語学校【非常勤講師】の待遇:求人情報の見方の注意点!』にまとめました。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
ボランティアではなく、プロの日本語教師としての就職を考えるなら、上記のサイトはすべてチェックすることをおすすめします。
情報が重なることも多いですが(私も求人を出すときは、上記の中から複数のサイトに情報登録をしていました)、気長に、そしてこまめにチェックしていると、「お!この情報は他では見たことないぞ!」というものに出会えることもあります。
掘り出し物情報に出会うには、毎日サイトをのぞくしかありません。
ぜひ根気よくチェックしてみてください!!
ちなみに上にも記しましたが、一気にいろいろな学校の説明を聞いて比較したい!という方には、合同説明会をお勧めします。先日参加してきましたが、活気にあふれていました。その様子は、こちらからどうぞ。
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