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【日本語学校教職員】留学生にまず伝えるべき12の重要な生活ルール

現役日本語教師の方

国が違えば、その国の人々の「常識」や「価値観」も違います。

日本にやってきた「留学生」を始めとする外国人が

日本人社会の中でうまく共生していくためにも、

彼らにできるだけ早い段階で日本人とトラブルになりにくい生活の仕方(ルール)

伝えるべきだと思います。

それは、留学生を受け入れた日本語学校の大きな役割でもあると思います。

この記事では、来日したばかりの日本語学校留学生に真っ先に伝えておくべきだと思う生活上の重要なルールを12個にまとめてみました。

まず、アパート等で。

同郷の人々とパーティーをして大騒ぎをする人たちがいます。

日本の町は静かです。住宅街の夜は特に静かです。

壁の薄いアパートで夜にどんちゃん騒ぎをすると、周囲の住民に丸聞こえです。

あまりうるさくすると通報され、夜中に警察が部屋を訪ねてくる、なんてケースもあります。

②ごみは正しく捨てる!

日本のゴミ出しはルールがきっちり決まってます。

仕分けをする。出すのは朝。粗大ごみを勝手に捨てない。

特に仕分け方法は自治体ごとに違うので、学生の住む地域に合わせてきちんと指導しないとならず、大変です。

③アパートやマンションの共用部分に物を置かない。もし置かれていても、触らない、使わない!

自転車や私物を部屋の外の廊下に置いてしまう人がいます。

ほとんどのアパートでそれは禁止なので、持ち物はすべて部屋の中に入れるように指導します。

また、ときどき洗濯機などは置いていい所もありますが、以前、他の部屋の人が置いている洗濯機を勝手に使っていた留学生がいました。

誰の物か分からない物は、使わないのはもちろん、疑われることのないよう一切触らないように注意しておくと安心です。

④大家さんに内緒で複数の人数で住まない!

これは「お金をためたい」留学生がやりがちです。

部屋は契約者だけが住むことができるものです。

勝手に友人とシェアして家賃を分割して支払う、というのはNGなのですが、

ときどき複数人で住んでしまう人がいます。

ばれたら追い出されるかもしれません。あるいは家賃upか。

次に、街中を歩いている時の注意です。

⑤在留カードと学生証を持ち歩け!

これは、留学生に口をすっぱくして伝えています。

母語で話しながら歩いていると、ときどき警察から職務質問をされるという留学生がいます。

そういう時、ちゃんと在留カードと学生証があれば身分を証明できます

これがないと、ちょっと面倒なことになります。

⑥外/電車内/レストラン等で、母語で大声で話すな!

日本人は外を歩く時、電車に乗る時、レストランで食事する時、割と静かです。

話し声は小さいです。

その中で大声で話す人、しかもそれが日本語でない場合、とても目立ちます

それをマナー違反だと眉をひそめる日本人もいますから、できるだけ静かにするよう伝えます。

⑦自転車やバイクは正しく乗れ!

自転車やバイクに乗る人もいるでしょう。

日本での交通ルールは母国のそれとは違うところがあるでしょうから、

それはしっかり守らせましょう。

⑧放置されているものを勝手に持ち帰らない!

ときどき、街中に放置されているものを勝手に持ち帰る人がいます。

盗もうという意図はなく、ただのごみだと思ったのかもしれません。

それでもそれを勝手に持ち帰るのはNGです。

特に危ないのは自転車。

放置されていた自転車が盗難車である可能性もあります。

それを知らずにごみだと思って安易に乗り回していて、警察に捕まったら大変です。

今、自転車は防犯のために登録制になっていますから、自分の名前で登録されていないと、警察はその人が泥棒だと思ってしまいます。

そうでないことを証明するのはとても難しいです。

そんな可能性もあるので、絶対に持ち帰らない!と徹底して伝えます。

他にもいろいろ・・・

⑨在留カードや通帳を他の人に貸すな!

友達だと思っている相手であっても、安易に渡してはいけません。

知らない間に犯罪に使われたら一発アウトです。

⑩トイレはきれいに正しく使え!

一昔前の一部留学生のトイレの使い方はひどかったです。

トイレは汚すべき場所だ、という価値観でもあるのか?と半ば本気で思っていました。

また、母国の習慣で、使った後のトイレットペーパーを便器に流さず、汚物入れに山積みにする人もいました。

日本のトイレは紙も流せる!

床に汚物を飛び散らせない!

汚れたら次の人のためにきれいに拭く!

床に物を捨てない!

を刷り込み、さらに、もしまだ和式の便器がある場合は、その使い方もレクチャー

・・・等々、トイレについての指導は本当に多かったです。

最近は少なくなりましたが・・・。

⑪各所からの連絡はきちんとチェックしろ!

ときどき、日本語が分からないから、という理由で、各所からの連絡を無視する留学生がいます。

公共機関から大切な郵便物が来るかもしれませんし、学校やアルバイト先からも大事な連絡が入るかもしれません。

郵便受けは毎日のぞく、電話やメールはこまめにチェックする、といったことをしっかり伝えます。

⑫温泉に行くならタトゥーは極力隠せ!

外国の人にとってはタトゥーは一つのおしゃれに過ぎないでしょうけれど、

日本の場合は今なお特別な意味で捉えてしまう人が多いです。

ですから温泉やスーパー銭湯等に行く場合は、タトゥーがOKか問い合わせるといいでしょう。

場所によってはOKの所もあるようです。

が、やはりできるだけ隠した方が無難です。

以前、学校行事で温泉に行った時は、タトゥーの入った学生にタトゥー隠しのシールを紹介していました。

例えばこんな感じのものです。(amazon)

以上、勤務校でのことを思い出しながら

来日間もない留学生に伝えるべきことをまとめてみました。

留学生は、「日本人は細かいなあ! 大丈夫だよ!」と気軽に考えていろんなことをやってしまうことがあります。

こちらの記事(『【日本語学校】留学生の口グセあるある第2弾「ダイジョーブ(大丈夫)!』で紹介したように!

でも、そうしたことが元になって周囲の日本人(もちろん一部の、ですが)から

だから外国人はダメなんだっ!!!

なんて声高に叫ばれたりするのです・・・。

こちらの記事『某日本語学校・事務局長逮捕のニュースを見て思ったこと…大迷惑!』でも、外国人の犯罪からすぐに外国人に偏見を持つ人の話を書きましたので、もしよけろしければご一読ください!

そういう人たちの偏見を取り除くためにも、できるだけ日本社会になじみ、

トラブルを避け、うまく共生していけるよう、日本語教師として

できる範囲でサポートしていきたいと思っています。

参考までに、こちら(法務省のPDFにとびます)をご覧ください。
これは、令和5年秋に法務省が日本人を対象に行った外国人との共生に関する意識調査の結果です。
ふだん当たり前に在留外国人と関わっている日本語教師にとっては、そうでない人々の考え方が新鮮に思えるかもしれません。なかなか興味深かったです。

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