この記事が目に留まったあなたは、
日本語学校での仕事に
疲れた、もう嫌だ、日本語教師辞めようかな…
なんて思っていらっしゃる方でしょうか?
たしかに疲れることも、嫌になることもありますよね…。
私も悩んだこと、あります。
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でも、辞めるの、ちょっと待ってください!!
時間もお金もかけてせっかくとった日本語教師の資格、
そのまま捨てちゃうのはもったいないです!
やめたくなった原因はなんでしょう?
原因別にちょっとだけ考えてみませんか??
…とはいえメインの仕事そのものが好きではないなら…
日本語教師としてのメインの仕事、つまり・・・
授業準備をして当日に授業をして、宿題を出してチェックして、テストをして採点をして、成績をつけ、JLPTを受けさせたり、進路指導したり…。
それが好きではない、全然ワクワクしない、まったくおもしろく感じない、
という場合は、潔くやめる一択ですね。
自分に合う仕事を一日も早く探すことをおススメします。
もっと楽で、お給料の良い仕事はいくらでもあります。
人生で元気に働ける時間は、意外と短いです。
新しい仕事を始めるなら、一日も早く、少しでも若いうちに次のステップに進んだ方がいいと思います。
・・・でも。
もし上記のような業務ではない仕事がきつい、
という場合は、
ちょっと冷静に考えてみてください。
あなたが嫌なその仕事、
その学校だけでやらされているものでは、ありませんか??
メインでない仕事がつらいなら…
メインの仕事は好きだけれど、メインでない仕事・・・たとえば常勤の場合、
ビザの申請業務にまつわる作業、(度を越えた)生活指導、校内の清掃や施設設備の管理、経理関連の仕事、学費支払いの催促、…
のような業務がつらい場合。
これらの仕事は、本来の日本語教師の業務ではないと思います。
実際、こうした業務に教員が関知しなくていい学校はあります。
特に大手。
でも小さな学校の場合は、
事務課と教務課がきちんと仕事分けされておらず、
教員が担っている場合もあります。
そうした仕事がきついという場合は、
まず他の教員に相談してみることをお勧めします。
もし他の教員も同じように感じていると分かったときは、
いっしょに教務主任など上司に相談してみましょう。
一人より、複数の人が同じことを問題だと思っているほうが、
深刻さが伝わりやすいですよね。
(※ただし相談する同僚教員は、日頃から信頼できる人に限ります。
そうでないと、変な形で周囲の人に伝わることがありますのでご注意ください!)
良心的な主任なら、きちんと話を聴いたうえで校長や学校経営者に話をあげてくれるはずです。
業務内容を見直して改善してくれるかもしれませんし、
事務課が人手不足でそういう状況になっているなら、
人を増やしてくれるかもしれません。
(良心的な主任でも、その状態の異常さに気づいていないことがあります。
昔はそれが当たり前、という学校がけっこうあったと思いますから。
・・・まあ、その場合、
【良心的だけれどちょっとボンヤリの主任さん】
かもしれませんが!)
・・・それでも何の対策もしてくれない、何も変わらない場合は、
他の日本語学校に移りましょう!
そして次の学校を探すときは、
応募前に業務内容(教員が担う範囲)をしっかり確認しておきましょう。
もしよろしければこちらの記事『【日本語教師】学校説明会・見学会でしておきたい8つの質問』も参考になさってください。
仕事は好きだけれど、やりがい搾取が嫌なとき…
日本語教師としての仕事そのものは好きだしやりがいも感じるけれど、
薄給でやりがいを搾取されているように感じる。
好きな仕事に時間がかかり過ぎて、無給の残業や持ち帰り仕事が常態になっている。
のがつらい、という場合。
時短できる要素はないか自分の仕事を全力で点検してみましょう。
完璧を求めすぎる人は、業務が遅くなります。
優先順位をつけて、ここだけは譲れない!というところを見極め、
そこに時間をかけましょう。
他のことは7割程度の出来でも良しとする癖をつけるといいと思います。
たとえば学生に配る教材を作るなら、分かりやすさが最重要。
見栄えの良さ(これ、教師自身の自己満足に過ぎない場合がけっこうあります)は二の次です。
なお、どんな作業もあらかじめ「これは〇時まで」と決めておく、
という原始的な方法も試す価値ありです。
スケジュール管理はどんな仕事でも有効です。
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この時代、授業準備やテスト作成といった教師の恒常的な仕事は、
パソコンとインターネットという強い相棒が近くに存在してくれれば、
かなり時短できるはずのものです。
世の中の多くの日本語教師たちが、
インターネット上に文法の分析や例文を公開しています。
自分が作った教案や教材、テスト、おもしろい授業アイデア、等を
公開している教師もたくさんいます。
(※時間が余りそうな時用の活動やゲームであれば、
三本の記事を公開しています。
よろしければご参考にどうぞ)
そして今や生成AIもどんどん進化しています。
(生成AIはこちらの記事『日本語教育と生成AI:ChatGPTとClaudeによる作文指導』のように作文添削もしてくれますよ。)
これは日本語教師にとって、とても優秀なアシスタントになります。
そうしたものをどんどん活用しましょう。
一から自分だけで考えるより、ずっと効率的に、
かつずっと良い(←ここポイント)授業準備ができるはずです。
(もちろん、自分でまったく考えないというのはNGです!
学習者から質問がとんできたとき、対応できません・・・)
また、自分で作った教案や教材は、きちんと残しておきましょう。
後々、違う学生達に同じことを教えることがあると思います。
その授業準備の際は、過去に使ったものを見直し、
必要な部分を手直しすればいいだけなので、
ぐっと時間短縮になるはずです。
こうした効率化により、事実上の時給は上がるはずです。
以上のような時短対策をとっても、なお時間が足りない・・・
無給の残業が減らない・・・
という場合は、一度主任や他の教員に相談してみることをお勧めします。
何かアドバイスがもらえるかもしれません。
・・・もし話せるような人がいない場合や、
相談しても何一つ改善できない場合は、
他の学校に移りましょう。
世の中、いろいろな日本語学校があります。
中には、教える時の手順がすべて決められていて、教材やテスト等も決まったものがすべて準備されている学校もあります。
何も手作りしなくていい、複雑に考えなくていい学校・・・。
教員の授業の質はある程度固定されるでしょう。
もちろん、だからといって「そういう学校はつまらない!」と思うのは早計です。
授業はライブですから、どうしたって担当教師の個性は出ます。
話術を磨き、楽しく、ためになる授業を作り上げるのは、担当教師です。
なお、そういう学校かどうかどうしたら分かるのか?というと、
事前のリサーチしかありません。
先ほどと同じ記事ですが、こちらも参考にしていただけると思います。
教員間の人間関係がつらいとき…
職員室での他の教員との関係がうまくいかない、つらい
という先生もいるでしょう。
日本語学校の職員室には、いろいろなタイプの人がいます。
中にはあなたと相性が悪い人もいるかもしれません。
だれか一人があなたにとって「ガン」で、
そのほかの人との関係はいいのなら、
それはもう少し続けるべきだと思います。
例えば、こちらの記事『あなた、日本語教師に向いてないかも!残念な日本語教師たち【後編】』にも書きましたが、
身勝手だったり、いい加減だったり、中には教員室内でいじめのようなことをする
幼稚な先生も実際にいます。
そういう人は、他の人からも疎まれているはずです。
信頼できて話せる同僚教師がいるなら、
まずその人にそっと相談してみてもいいでしょう。
仲間を見つけることで憂さ晴らしができ、明るい気持ちを取り戻せるかもしれません。
なお、ポイントは、あくまで「そっと相談」です。
「悪口大会」にならないように気を付けてください。
職員室が○○派と反○○派で真っ二つ・・・
なんてことになると厄介です。
都内で、教務主任派VS.反教務主任派で
大変な状況になった学校の話を聞いたことがあります。
学校の雰囲気は最悪だったそうです。
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そしてそこまで行ってしまった教員間の人間関係は、
学生にも見透かされます。
学生の雰囲気も変わり、授業もやりにくくなるかもしれません。
もし、職員室の環境が悪いのにそれを相談したり、
一緒に憂さ晴らしできる相手がいないなら、
これは「移る」一択です。
速やかに違う学校に移りましょう。
学生との関わりがつらいとき…
今教えているクラスの留学生たちと良い関係が築けない、彼らと関わるのがつらい
という先生もいるかもしれません。
が、実は「クラス全員とうまくいっていない」わけではないのではないでしょうか?
以前、コチラの記事『【日本語学校】クラス内にレベル差があるという悩み:262の法則』で触れましたが、「262の法則」というものがあります。
簡単に言うと、
一つの組織には必ず「上位2割・平均的な層6割・下位2割」ができる、
という法則です。
下位の2割というのは、
意欲がなかったり、組織への貢献度が低かったりする層です。
これは日本語クラスにもあてはまります。
私のこれまで関わってきたクラス授業を思い返しても、
確かにだいたいそうだったなと思います。
(もしかしたら、中には
「うちの学校は262なんかじゃない。028なんだけど!」
なんて感じられるクラスもあるかもしれませんが・・・)
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一つだけ声を大にして言いたいことは、
「下位の、やる気のない学生に悩まされ過ぎることは、やめましょう!」
ということです。
小中学校ではありません。
日本語学校の留学生は、
母国で高校以上を卒業して1人で日本へやってきた
自立した人たちです。
それなのに「やる気がない」のは、
本人の責任です。
やる気がなく、勉強せず、日本に留学しても日本語をろくに身に付けない…
そういう学生が日本語学校を卒業後に
どんな道を歩むか分かりませんが、
その人の人生の責任はその人しか取れないのですから。
日本語教師もお給料をもらって働いている以上、
彼らのやる気を引き出せない原因が自分にないかを
いったん自省して頑張ってみることは大切(というか、絶対必要!)だと思いますが、
ある程度頑張ってもダメなら、
もう放っておきましょう!
(私が過去にやる気のない学生とどう接したのかは、
まとめてあります)
そしてメンタルをやられる前に、違う学校を探しましょう。
ただし!
もし違う学校へ行ってもやはり学生との関わりがつらくなった、
というのであれば、もしかしたら・・・
あなたに日本語教師の適性がない場合も考えられます。
それを見極めるためにも、自省はしっかりしましょう。
学生にやる気がなくなるのは
自分自身に原因がないか?という自省です。
自信がなければ、
他の教師に授業を見てもらって
問題点や気づいた点を指摘してもらうのもいいかもしれません。
なお、日本語教師の適性については、コチラの記事『日本語教師に向いているのは、ズバリこんな人!7つの特徴 』にまとめてみました。
集団授業が嫌なら…
日本語を教えるのは好きだけれど、日本語学校の集団授業が嫌だ
という先生は、プライベートレッスンにするしかありません。
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プライベートレッスンの募集は、
日本語教師の求人情報に出ていることもあります。
対面で教える講師募集に応募する方法もあれば、
italki等にオンライン講師として登録する方法もあります。
ただオンライン日本語教師は供給過剰気味だと聞いたこともあります。
適正価格で教えられればいいのですが・・・。
一方どこかに出向いて対面で教える講師は、
英語等を使った間接法であることもありますが
比較的時給は高めのようです。
やめたいけれど、学生と離れてしまうのがつらいなら…
いろんな事情で日本語学校を辞めたいけれど、現在の勤務校で出会った学生と離れがたいから辞められない。
自分が辞めた後、学生から「裏切られた」と思われるのが心配で辞められない。
と思っている先生もいらっしゃるかもしれません。
でも、そうして悩み続けている間に時は過ぎていきます。
するといつまでたってもその学校を辞めることはできません。
なにしろ毎年新入生が入ってくるわけですから、
全員と一緒に学校を「卒業」することはできないのです。
そして、実は学校を辞めることは裏切りでもなんでもないことです。
その学校を学生が入学先に選んだのは、
あなたがいるからではありません。
たまたま入った学校にあなたがいただけです。
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その先生が事情があって辞めるのは、
裏切りでもなんでもありません。
仕方のないことです。
本当の理由を学生に言う必要もありません。
それでも本当に縁があるなら、
その学生との関係も続くと思います。
今はSNSもありますから、
辞めた後も連絡を取り合うことは可能です。
むしろ教師を辞めた方が外でプライベートで会いやすくなるかもしれません。
やめた後どうしよう、と不安なとき…
辞めたいけれど、辞めてからどうしよう? 次があるのか?
という不安がある人もいるでしょう。
日本語学校は数多あります。
大きい学校小さい学校、学習者がほぼ同国籍の学校、多国籍の学校、古い学校新しい学校、会社経営、学校法人・・・
それぞれ雰囲気が違います。
一つの学校が合わなくても、
日本語教師が向いていないと決めるのは早いと思います。
いろんな学校を見てみましょう。
それができるのが、資格職の強みでもあります!
今は特に人手不足ですから、チャンスは無限大です。
それに今は日本語教育業界だけでなく、
日本中いたるところで人手不足です。
不安はあっても、踏み出せば新しい世界が見つかるかもしれません。
自分に何ができるのかを考えながら
動き出すのには悪いタイミングではないと思います。
辛い思いを抱えながら、悩みながら、行動しない・・・
その時間こそがもったいないと思います。
繰り返しになりますが、
人生はそんなに長くないですから!!!
私、アラフィフになって本当にそう思います。
学生時代に親しかった人の病死を経験しました。
事故等で若くして亡くなる方もたくさんいますよね。
一生懸命、好きな仕事・好きな居場所を探すべきです!
最後に参考までに、
以前読んでちょっとおもしろかった本をご紹介しておきます。
とても読みやすい本(文体が軽やかというか、本当にサクサク読める)ですが、
読みながらところどころ考えさせられました。
今悩んでいる方の何かのヒントになるかもしれません。
(地域の図書館にも入っているかもしれません)
『このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法』
北野唯我 ダイヤモンド社 (←Amazon)
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