外国人受け入れ政策…日本人ファースト?多文化共生社会?

現役日本語教師の方

2025年7月。

現在、夏の参議院の選挙戦真っただ中です。

各候補者たちは日々、街頭演説にSNS対策にと、大忙しです。

それを見聞きし、投票先を決めなければならない私たち一般市民も、悩ましい日々です。

今回のこの選挙、争点はいろいろありますが、

今世間で非常に注目されている争点の一つは「外国人受け入れ政策」です。

一日本語教師として思うことを書いてみました。

今現在、「日本人ファースト」を掲げる某党など、かなり保守的な主張をしている党が複数あります。各層から急速に支持を集めつつある、というニュースを見ました。

一方で、「外国人を排斥するな、共生の社会を目指していこう」、と強く主張している党もあります。

・・・私自身は、どちらも「アリ」だし、どちらも「ナシ」だよなあ…なんて思って、困っています。

「日本は日本人のものだ」という考えは、当然だと思います。それは他の国の人も自国のことを同じように思っているでしょう。

ですから、日本の土地やマンションが密かに外国人に大量に売られている、と聞くと、ちょっとモヤモヤしてしまいます。

北海道・ニセコの美しい羊蹄山の麓では、外国人によって無許可で森林伐採がされていた、というニュースがあり、心がざわざわしました。

また、都内の難関中学受験塾にかなりの中国人の子供たちが入っているという話を聞いた時も、「お~い日本人の子供たち、もっと頑張れ~」なんて気持ちになりました。

が。

だから外国人を日本に受け入れたくない、なんて気持ちには、一ミリもなりません

なぜなら職業柄、日本を好きでいてくれ、日本語をまじめに学び、いずれ日本で就職したいと思っている外国人たち(あるいは既に仕事に就いて頑張っている外国人たちも)を、身近にたくさん見ているからです。

もちろん、日本で納税し、社会保険料も納めて真っ当に生きている人たちです。

今これだけ少子化が進み、人口減少・働き手不足が止まらない、そんな日本社会の一部は、確実に彼らによって支えられています。

ですから、「外国人」と一括りにするのは乱暴な議論だなあと思うのです。

とはいえ、外国人が罪を犯して逮捕されたというニュースを見ると本当に嫌な気持ちになります。

「犯罪」は許されないことです。

決して外国人の犯罪率が日本人と比べて高いわけではない、ということは「事実」として知っています。

参考までに例えばこんなレポート(日立財団グローバルソサエティ)があります。様々な角度からの分析の結果、このレポートは最後に「外国人と日本人の犯罪率には実質的な差はない」と結論づけています。

が、日本人と外国人の犯罪率に「差がない」ということ自体が腹立たしいのです。

日本人犯罪者が日本国内にいることはある意味当然であり、仕方ないこととして受け入れるしかありません。(古今東西、犯罪者のいない国などないわけですから)

ですが、外国人は、どうしてわざわざ母国を出て日本に来て、日本人と同じ率で罪を犯すわけ!?・・・と、思ってしまいます。

・・・ということで、

外国人の犯罪には毅然と臨む、ということには私は大賛成です。違法行為には厳格に対処してもらいたいと思っています。(「違法」とは何を指すのか、もひとつの問題ではあると思いますが)

そうなっても私が日本語教師として日々接している学生たちの生活は、なんら影響を受けないはずです。彼らは前述の通り、真っ当に日々を生きていますから。

・・・それでも、今回の参院選で、外国人に対して厳しい姿勢で臨む党がもし圧勝するようなことになると・・・彼らに対する世間の目は少しずつ変わっていってしまうかもしれない、と思います。それが心配です。

徐々に、徐々に、外国人排斥主義が幅を利かせるようになり、ハッと気づいた時には日本全体が右傾化、(その結果どうなるか・・・考えるだに恐ろしいです)…なんてことにならなければいいのだけれど、と危惧しています。

だから悩ましいのです。

どこに投票しようかなあ・・・・・と。

選挙に行くギリギリまで、悩み抜くつもりです!

と言いつつ、です。

思うのですが、

今の世界の中での日本の立ち位置を考えると・・・

残念ながら、いろんなことが「杞憂」になってしまう可能性もあると思っています。

今はまだ日本に来てくれる外国人はたくさんいます。

それでも、「違う国へ行きたかったけれど無理だった。日本しか選べなかったから日本に来た」という外国人が増えているというのも、私の実感です。

今はもう、日本はそれほど経済的に強い国ではなくなっています。文化的な魅力だけで今後も留学生が押し寄せる、ということはないでしょう

今後、留学先・就職先としてなかなか選んでもらえない国になっていく可能性もあると思っています。残念ですが。

そうなれば「日本人ファースト」も「多文化共生」もあったものではありません

・・・日本が、小さな、こじんまりした「極東の島国」に戻る覚悟ができれば、それもいいと思います。

きっと、いろんなことが少しずつ「不便」な社会になるでしょうけれど(働き手がいないのですから、当然です)。

・・・まあ、私はそれでもいいかな・・・。

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