yahooの経済ニュースのところに、こんな記事を発見しました。
4月から国家資格化の日本語教師、薄給と激務、非正規雇用、高齢化の実態
なんと、「生活危機」というハッシュタグとともに・・・。(6月22日配信の記事です。)
確かに。
まさに、日本語教師にとって「生活危機」なのかもしれません。いろんな意味で。
(もちろん、日本に暮らす外国人にとっても)
いろいろなことが書かれていていて読み応えのある記事でした。
それを読んで私が感じたことを以下にまとめてみました。
日本語教師、減るのでは?
以前、コチラの記事『登録日本語教員を増やしたいなら、処遇upしてください…』でも書きましたが、一般的に言って質を向上させようとすれば量産はできなくなり、数は減るものだと思います。
これはモノづくりだけではなく、人にもあてはまるでしょう。
国家資格化により試験や講習、実習を受けてパスしなければならない。
当然質は上がると思います。
が、そこにわざわざチャレンジする人は減ると思います。かなりの負担ですから。
もし、それでも人を増やせるとすれば、それは、そのハードルを越えることでとても良いことがある場合。
良いことって何でしょう?
現在薄給にあえいでいる多くの教員にとって、それは「待遇アップ」だと思います。
が、その見通しは今のところゼロですから。
・・・国の方針として、「国に必要だから」この制度を導入するわけですから、それなら国はそこにもちゃんと切り込んでほしいなと思います。
参考になるのは、国が処遇upに動いた「介護士」だと思います。
同じ轍を踏んではならないのは、「弁護士」でしょう・・・。ロースクールは失敗だったと思います。
JLPTを企業も学校も神格化しすぎ
私は以前、専門学校の就職指導等を担当していました。
その際にいつも思っていたのは、
『企業はJLPTを神格化しすぎだ!』
ということです。
この記事『「N1あるのに!」「N3なのに!」問題…JLPTの課題と、企業側の勘違い』にも書きましたが、JLPTのN1を持っているのに会話が下手な人、います。
逆にJLPTのN3やN4程度でも会話は上手な人も、います。
JLPTは会話能力を測定する試験ではないので、そういうことが起きます。
もし、本当に日本語で仕事ができる人材がほしいなら、そしてその仕事が読み書きよりも会話ができることのほうが重要な仕事であるなら、企業の採用担当者にはぜひ、JLPTの資格だけで判断せず、実際に会ってその人と面接してから判断してほしいと思います。
日本語教育の世界では「タスクを達成させること」が重要だという、言語習得においては当然の方向にようやく、少しずつ、転換してきたところです。
が、企業がこの先もJLPTにこだわるなら、日本語学校もそのための指導を続けざるをえず、限られた時間内でなかなかタスク重視の授業に大胆なシフトはできないでしょう。
つまり、上記yahooの記事にある「ダブルスタンダード」はなくならないでしょう。
それは、結果的に日本の産業界にとっても損失じゃないかな、と思います。
・・・とはいっても、N3ぐらいはやっぱりあった方がいいかな??
やはり漢字を読んで意味をある程度理解する能力や、それぐらいの努力をする能力も、ある人の方がいいかもしれません・・・。
が、N3です。
漢字圏以外の人でN3以上を取得しているなら、人並みに努力できる人だと思います。
最後に
Yahooの記事を見て、あまりにも「その通りだ!」と思うことが多く、この記事を書かずにはいられませんでした。
日本語教師の方はもちろんですが、それ以外の多くの日本人の目に触れる記事であってほしいと思います。
最後にもう一度。
4月から国家資格化の日本語教師、薄給と激務、非正規雇用、高齢化の実態
ぜひお読みください!!
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